初来日を果たしたTones and I(トーンズ・アンド・アイ)。5月28日(火)、渋谷のSpotify O-Eastにて、Tones and I単独の来日公演が行われた。


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Tones and I(トーンズ・アンド・アイ)ライブレポート 5月28日(火)

ついにやってくるTones and Iのステージを前に興奮冷めやらぬ会場。照明が暗転すると、夜の森が画面に映し出される。不規則に照明が点滅し始め、会場からは歓声が響く。

バンドメンバーがステージに上がると、スクリーンに巨大な目が映り、ドイツの人気バンド、アルファヴィルの「Forever Young」のカバーからライブはスタートした。笑顔でステージを左右へ駆け回り、会場に向けてハートマークを作ってみせる彼女。1曲目から会場は一体となって手拍子を響かせる。

画面に「Tones and I」の文字が躍ると、「Never Seen The Rain」へ。ミディアムテンポの聴き心地の良い音楽に合わせて唯一無二のハイトーンが響き渡る。

「みんな、今日は来てくれてありがとう。日本来たのは初めてだけど、日本のみんなにすっかり惚れちゃったよ!」と会場に愛を伝える彼女に、オーディエンスも大喜びの歓声を上げる。「みんなの顔がしっかり見えるよ、本当にきれいな景色だよ!初公演に来てくれてありがとう」とのお礼に、再び会場の歓声が響く。

Bad Child」ではハイピッチのロングトーンが壮大に空間を支配し、「I Get High」では自由に飛び跳ね、くるくる回りながら楽しそうに踊る彼女に合わせてオーディエンスも歓声を上げながら身体を揺らす。ラストサビではあまりに迫力のあるハイトーンに会場全体が息を呑むような瞬間もあった。

Cloudy Day」では画面にも雲(Cloud)が踊り、その広がりのあるサウンドもあって会場全体が天界のような広大な景色に見えた。続いて今年2月にリリースされた新曲「Dreaming」へ。歌詞の通り“ファンタジー”な画面の前で彼女は自由に動き回る。

彼女がステージに腰かけると、怪しげに「Eyes Don’t Lie」が始まる。中音域でも凄みのある歌声を響かせられることを証明する圧倒的な音圧に会場の空気が震えるかのようだった。ピアノの美しい調べに合わせて始まったのは、比較的スローテンポな「I Am Free」。音数を絞ったサウンドで彼女のオンリーワンな歌声を堪能できる1曲だが、曲の後半は楽器隊とともにたたみ掛けるような圧巻のパフォーマンスを見せた。

Ur So FkInG cOoL」ではバグが起きたパソコンのような画面の前で何かに憑依されたような踊りを踊りながら歌い、フロアはサイケな世界観に染まる。

その後、「まだライブで披露したことのない1曲をやろうと思う。トラックを用意していないからピアノと一緒に歌うね」と突如始まったのは、なんと今月リリースされたばかりの最新曲「Wonderful」(ピアノ・バージョン)!筆者が事前に予告されていたセットリストにもなかったこの楽曲に、思わず身を乗り出してしまった。美しい歌声がしっとり会場を包む、この公演で最もゆったりした時間であった。

改めてヒーローのようなポーズで登場しなおすと、「The Kids Are Coming」でその唸るような声を存分に生かしながら不敵な表情をみせる彼女。彼女がポーズを取るたびに会場から歓声が上がった。元ストリートミュージシャンとしての思い入れも深い楽曲「Johnny Run Away」はアイデンティティに悩む少年に寄り添うような楽曲。可愛らしいイラストが画面に踊る。

そのまま地続きで始まったのは、GREENROOM FESTIVALでも話題になったリアーナの「Diamonds」(シーアら作曲)のカバー。会場は彼女のリクエストに答えてスマートフォンのライトを点灯。まさにダイヤモンドのように光が彼女を包んだ。スタッフやバンドメンバーの名前を挙げて感謝を捧げると、「そしてあなたたちにも特別な感謝を」と会場に伝え、ラストの2曲へ。

世界的に大ヒットした代表曲「Dance Monkey」のフレーズを彼女が歌い始めると、会場のボルテージはMAXに。観客を床にしゃがませてからジャンプを煽ったラストサビでは会場が揺れるほどに盛り上がり、そのまま「Fly Away」でも会場と一緒に飛び跳ねながら、Tones and I初の日本単独公演は幕を下ろした。

唯一無二の歌声、圧巻の声量、オリジナリティあふれる曲調。すっかり心を掴まれ、あっという間に時間が過ぎてしまったTones and I初の単独日本公演は、彼女にとってもあっという間だったのか、「毎年来たい」とまで叫んでくれていた。この公演は今後永らく、観客の記憶に刻まれることだろう。

なお、この度tvgrooveはTones and Iへの単独インタビューも行った。最新曲に込めた思いや初来日の感想を語ってくれたインタビュー記事の近日掲載に、ぜひご期待いただきたい。

<セットリスト>
1.Forever Young(Alphaville カバー)
2.Never Seen The Rain
3.Bad Child(ショート)
4.I Get High
5.Cloudy Day
6.Dreaming
7.Eyes Don’t Lie
8.I Am Free(ショート)
9.Ur So F
kInG cOoL(ショート)
10.Wonderful(ピアノ・バージョン)
11.The Kids Are Coming(ショート)
12.Johnny Run Away
13.Diamonds(Rihanna カバー)
14.Dance Monkey
15.Fly Away