◆MEGUMIの“心強い後ろ盾”感

 演じる役柄を通じての女性という存在への理解は、MEGUMIをプロデュースへと駆り立てた。2022年にテレビ東京のドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』で企画・プロデュースを担当し、さっそくそれをひとつの形にしている。

 すごくパワフルだ。さらに今年、再びテレビ東京にて早くも第2弾『くすぶり女とすん止め女』を企画・プロデュース。このドラマ、とにかくテンポがいい。適宜テロップのような字幕が出るなど、感覚としてはYouTubeを見ているような日常感だろうか。

 モラハラ夫の山本武(勝村政信)の暴政に耐えかねた専業主婦・山本郁子(西田尚美)が束縛から開放されるべく奮闘する様がコミカルに描かれる。

 絵に書いたような“男性性丸だし”のモラハラ言動には閉口するが、それくらいディフォルメしないと伝わらないものがあるというMEGUMIの意図を感じる。

 しかもMEGUMIがちーママ役でカメオ的に出演し、プレイヤーとしても作品をサポートする。なんと心強い後ろ盾感だろう。日本のイーストウッドはまさかのMEGUMIだった説浮上のカッコよさではないか!

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu