「タイタニック号」を散策するツアー潜水艇 Photo: EyePress News/Shutterstock「タイタニック号」を散策するツアー潜水艇 Photo: EyePress News/Shutterstock

現地時間6月22日、米沿岸警備隊は、沈没船タイタニック号の探索ツアーで行方不明となっていた潜水艇タイタンの残骸の一部を発見したと発表。タイタンに乗っていた5人は「壊滅的な爆縮」によって死亡したと考えられている。

6月18日(日)、1912年に大西洋に沈んだ豪華客船「タイタニック号」の探索ツアーのため、イギリスの大富豪ハミッシュ・ハーミング氏(58)、イギリス人実業家シャザダ・ダウッド氏(48)、彼の息子のスレマン・ダウッド氏(19)、元フランス海軍の潜水士で「ミスター・タイタニック」の異名を持つポール=アンリ・ナージョレ氏(77)、操縦士でツアーを運営するオーシャンゲート社のCEOストックトン・ラッシュ氏の5名を乗せた潜水艇「タイタン」が出発。

しかし、出発から約1時間45分後に水面サポート船との連絡が途絶えて以来、行方不明となっていた。また6月20日、米国政府の内部メモに、水中から「何かをはげしく叩くような音」が聞こえたとの情報が記録されていたことが明らかになった。

米沿岸警備隊のジョン・モーガー少将が記者団に語ったところによると、6月22日の朝、カナダから派遣されたロボット潜水艇が、タイタニック号の船首から約1600フィート(488メートル)離れた海底、北大西洋の片隅、海面下2マイル半(4キロ)の地点で、潜水艇タイタンの破片を発見したと発表した。

沿岸警備隊当局によると、タイタンの先端部や船体耐圧室の一部を含むいくつもの破片が発見されたという。また、人骨が目撃されたかどうかについては言及されていない。

「この残骸は、船の壊滅的な爆縮と一致しています」とモーガー少将は語った。

また、沿岸警備隊の記者会見の前にもかかわらず、ツアーを運営するオーシャンゲート社は、タイタンに乗っていた5人のうち、生存者はいないとする声明を発表した。

同社は声明の中で「彼らは真の冒険家で、世界の海を探検し保護することへの深い情熱を共有していました」「私たちの心はこの5人の魂とその家族1人1人と共にあります」とコメントしている。