不動産の開発事業・リノベーション事業および空き家事業を展開するジェクトワンは、神奈川県川崎市中原区にある築66年の一戸建て物件を、空き家事業「アキサポ」の空き家活用スキームによって、産前産後ケアを行う地域密着型の施設「あゆむ庵」として再生し、5月15日(水)にオープンした。

産前産後ケアを行う施設として再生

「あゆむ庵」は、元は所有者が両親と暮らしていた実家で、両親から相続を受けたものの、すでに自宅を所有していたことから、居住することなく約1年間空き家となっていた。

所有者の両親の地元である富山県から木材を運んできて建築したという想い入れのある実家ということもあり、売ってしまうにはもったいないと考え、地域のために何か有効活用できる方法はないか検討していた中で「アキサポ」に問い合わせをしたという。

この物件の周辺エリアを調査したところ、戸建て住宅が少なく、賃貸物件としてのニーズが見込めることから、当初は賃貸住宅としての活用を検討していた。そんな中、新たな活動の場となる物件を探していた「あゆむ訪問看護チーム」の運営を行う「こころ」がイメージする「多世代が集う家」というニーズと合致し、少子化や地域とのつながりの希薄化などから、昨今増加している子育てや出産への不安を抱える家庭を支援する産前産後ケア施設「あゆむ庵」として再生する運びとなった。出産や子育てなどに関する支援を行いながら、世代を超えて地域の方々が交流できる地域密着型の施設を目指す。

インフラ部分を一新

外観Before


外観After

この物件はもともと駐車場がない物件だったが、再生にあたっては、施設として駐車場を設ける必要があったため、広い庭を活用し普通車が1台置ける駐車場を新たに設置した。

内観Before


内観After

また、もともとの古民家のような佇まいを維持しつつ、使い勝手を良くするため古くなった水回り、壁や床、天井などのインフラ部分を一新している。そのほか、不要な木の伐採や白アリ対策を行った。

多世代型コミュニティスペースを兼ね備える


「あゆむ庵」は「0歳から100歳の方が集う家、地域密着の医療と産前産後ケアを。」をコンセプトにした産前産後ケア施設。育児に関する悩みや、それぞれのライフサイクルの段階によって発生する心身や介護に関する悩みなどについて、助産師等の医療の専門家からトータルケアを受けることができる。


産前産後の親子はもちろん、子どもから大人まで触れ合える多世代型のコミュニティスペースを兼ね備えており、地域の方々が気軽に寄れる “まちの保健室”のような拠点を目指している。