17日、ビリー・アイリッシュのニュー・アルバム「HIT ME HARD AND SOFT」がリリース。
同日、お台場の「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」において、ニュー・アルバムの「リスニング・イベント」が開催された。
イベントは、ビリー・アイリッシュのファンにとってさまざまな意味で嬉しいものとなった。大音量・高音質でニュー・アルバムを楽しめただけではなく、アルバム終了後にビリーに対するスペシャル・インタビューの映像も流れ、日本へのメッセージも語ってくれたのだ。
以下はそんな映像インタビューの文字起こしとなる。
ビリー・アイリッシュ アルバム『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』オフィシャルインタビュー
このアルバムはいつ頃制作にかかり、いつ頃作り終えたのですか?制作秘話があれば教えてください。
ビリー・アイリッシュ(以下、ビリー):アルバムの制作を始めたのは確か2022年の10月あたりだったと思う。けど今思えば、2022年の8月に「BITTERSUITE」(ビタースイート)のサビと歌詞を書いたんだけど、それから全然手を付けていなかったんだ。もちろん、それが何かのためになるとか、このアルバムのためになるとか、そういうことは知らなかった。そして2024年の1月か2月にアルバムを完成させたけど、実際のところ、アルバム制作のほとんどは昨年の5月までなかった。だから2023年の5月から1月か2月までだったから、それほど長い期間ではなかった。
よし、アルバムの裏側のストーリーね。すぐ思いつくのは、私は子供のころから過剰運動症候群で、そのせいで常にけがをしたりしていて、それが原因であることもあれば、違う原因の時もあった。足の指を怪我したんだけど、原因とか一切わからなくて、二年間くらい治らない状態のままだった。1年前、つまり2023年の5月に、足の指にステロイドの注射を打ちに行って、すごく痛かった。
病院の人は、「絶対よくなるし、直る」って言ってたけど、いつものように治らなくて、一日中その足に体重をかけることができなかった。そこまで痛くなることを知らなかったし、朝6時に起きて片道1時間かけて病院に行って帰ってきて、運転もできなかったから嫌なことばかりだった。しかもその日はうつ病が激しくて、すべての積み重ねだった。作業をするために兄の家に送ってもらい、彼のソファーに座って「音楽今から作るなんで信じられない」って思ってた。
その日が「THE GREATEST」(ザ・グレイテスト)を書いた日で、そのおかげで残りの曲も書き始めることができた。「THE GREATEST」を書く前は何も形になっていなくて、計画も自信もなかった。私たちは緊張感を持っていてその日はとても辛かったし、音楽を制作できる気がしなくて、それについて話していた。ブリッジ以外の部分がすべてその日に完成して、アルバムのインスピレーションとコンセプトも完成した日だった。長くなっちゃったけど、そんなことがあった。
楽曲「LUNCH」(ランチ)について教えてください。
ビリー:「LUNCH」という曲について話すと、すごく楽しい曲だと思う。この曲は、フックを思いついた瞬間に2人で「これはいい曲になる」って思ったんだ。最終的にどのような曲になっても、すごくいい曲になることは分かってた。これは、よくわからないけど、ポップな曲で、最初はそれが少し怖かった。そのポップの領域に一部としているけど、その世界に入り込むことが怖かった。でもこの曲は大好きだし、歌詞も器用で、楽しくて、クールだと思う。
「LUNCH」のミュージックビデオについて教えてください。
ビリー:MVは分かりやすいと思う。私が小さいころから大好きだった90年代ヒップホップビデオへのオマージュを込めた作品をつくりたかったんだ。昔のビデオで使ってたカメラをベースに、その面白さを表現している。ただ私が踊ってるだけで、楽しいし、大好き。
MV撮影の裏側、MV映像でずっと食べていて、撮影中もずっと食べていないといけなかった。楽しそうに聞こえるけど、逆だった。サンドウィッチを丸々一つ食べて、ピーナッツバターとジャムのサンドウィッチを三つ、クッキー、さくらんぼ、オレンジ、またクッキー、イチゴ、リンゴ、オレンジジュース、りんごジュース、チョコレートミルクとかをずっと食べてた。欲しいショットが撮影できるまで続けないといけないけど、そのせいで一日中食べ続けた。お腹が空いてなかったから、食べてから、飲み込まずバケツに吐き出してた。グラマラスでしょ?
楽曲「CHIHIRO」のテーマやエピソードについて
ビリー:「チヒロ」は日本人女性の名前。大好きな曲の一つで、曲のタイトルと私にとってそれが意味していることも大好き。フィニアスと一緒にプロダクションに取り組むのはすごく楽しかった。この曲の制作ではいっぱい残業をした。最初に作り始めた曲の一つであったけど、最後まで調整をしていた曲の内の一つでもあった。最後まで完全に満足しなかったんだ。
この曲を作るプロセスで本当に楽しんでいいっていう認識があって、変わったこともしていい気がした。フィニアスとビリーの典型的なスタイルを表現している曲だと思う。歌詞もそうだし、私の歌い方も、コアである自分と人々に知られている自分を良く表現できていると思う。プロダクションもフィニアスらしくて、ユニークで面白いものになった。この曲は大好きだし、聞くたびに良くなっていく気がする。
アルバムの中で、特に思い入れのある曲は?
ビリー:特に思い入れのある曲、「THE GREATEST」かな。それがアルバム全体を作れた理由だから。私にとってすごく特別な曲で、アルバム全体の芯のような曲だと思う。うまく言葉に表せられないけど、本当に大好きで、おかげでやっと正直になれて、今後正直でいれる瞬間だった。その曲を書く前は、「正直な部分」で少しブロックを感じていて、自分に正直になれなかったからこそ歌でも正直ではなかった。この曲でやっと「ああ、今は正直でいていいんだ」って自分で許可した気持ちになれて、それは素晴らしいことだと思う。
日本のファンへメッセージ
ビリー:日本のファンへのメッセージ。本当に大好きで、みんなに会えるのが楽しみ。みんなの母国に行くのが本当に待ちきれない。もうすぐ行くから、マジで。本当に愛してるよ、すぐ会おうね!
進化し続けるビリー・アイリッシュのニュー・アルバム「HIT ME HARD AND SOFT」は昨日リリース。
ぜひなるべく良質な音響、そして可能な範囲の大音量で、さまざまなサウンドや歌の響きに耳を傾けていただきたい。
アーティスト・プロフィール
2001年12月18日生まれ、米国ロサンゼルス在住のシンガー・ソングライター。
2019年に発売したデビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?/ ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は英米を含め全世界18の国と地域で1位を獲得。2019年に全世界で最も売れたデビュー・アルバムとなり、米ビルボード・アルバム・チャート(Billboard 200)の年間アルバム・チャートでは史上最年少で1位に輝いた。彼女の代表曲「bad guy/ バッド・ガイ」は、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で1位を獲得し、2000年以降に生まれたアーティストとして史上初の偉業を達成。2021年4月には、ここ日本でも、日本レコード協会のストリーミング認定開始以降、洋楽女性アーティスト初、さらに洋楽史上最速でのプラチナ認定(1億回再生)となった。
2020年の「第62回グラミー賞」で、史上最年少18歳で、年間最優秀レコード、年間最優秀アルバム、年間最優秀楽曲、最優秀新人賞の主要4部門に加えて合計5部門を受賞。
主要4部門の獲得は39年ぶりの史上2人目、最年少、初の女性という偉業を達成。2021年の「第63回グラミー賞」でも、2年連続となる年間最優秀レコードと、最優秀映像作品楽曲を受賞。グラミー賞で最も権威がある年間最優秀レコード賞を2年連続で受賞した、史上最年少19歳という記録を作った。
2021年10月に公開した映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、主題歌「No Time To Die」を最年少で制作、歌唱。同楽曲は、ビリー初のUKシングル1位、初の女性シンガーが担当した007主題歌1位、そして2020年UK発売初週で最も売れた曲に。
待望の2ndアルバム『Happier Than Ever/ハピアー・ザン・エヴァー』を、2021年7月30日に発売。全米・全英含む全15か国で1位を獲得。
2023年映画『バービー』のために書き下ろした楽曲「What Was I Made For?/ホワット・ワズ・アイ・メイド・フォー?」は、第81回ゴールデングローブ賞「最優秀オリジナル楽曲賞(映画部門)」、第66回グラミー賞「年間最優秀楽曲」、第96回アカデミー賞「歌曲賞」を受賞。
2024年5月17日、待望の3rdアルバム『HIT ME HARD AND SOFT/ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』を発売。
リリース情報
ビリー・アイリッシュ
ニュー・アルバム『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』
2024年5月17日(金)デジタル/CD発売
国内盤アルバム
封入特典:両面ポスター
先着購入特典:先着特典:マグネットシート
<収録曲>
『HIT ME HARD AND SOFT/ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』
1. SKINNY/スキニー
2. LUNCH/ランチ
3. CHIHIRO/チヒロ
4. BIRDS OF A FEATHER/バーズ・オブ・ア・フェザー
5. WILDFLOWER/ワイルドフラワー
6. THE GREATEST/ザ・グレイテスト
7. L’AMOUR DE MA VIE /ラムール・ドゥ・マ・ヴィ
8. THE DINER/ザ・ダイナー
9. BITTERSUITE/ビタースイート
10. BLUE/ブルー