鮮魚店や飲食店を運営する福島県いわき市のおのざきは、創業100年の節目に旗艦店である「おのざき鮮場やっちゃば平総本店」を大規模改装し、ふくしまが世界に誇る美味しい水産物「常磐(じょうばん)もの」の美味しさを広める発信拠点として、4月26日(金)にリニューアルオープンした。

地域密着の体験型鮮魚店へリニューアル

福島県の水産業は、13年前の東日本大震災から長らく苦境に置かれていたが、2023年8月からの原発処理水の海洋放出などに対する応援消費が落ち着きつつあるなか、2024年こそ、真価が問われる一年になる。持続的なふくしまの水産業の発展のためには、ふくしまが世界に誇る美味しい魚「常磐もの」を食べに福島県まで足を運ぶ人を増やすことが不可欠となる。


そこで、創業100周年の記念事業を兼ねて、単独の鮮魚店として東北最大級の売場面積を持つ旗艦店「おのざき鮮場やっちゃば平店」のコンセプトを「地域密着の体験型鮮魚店」へと改めリニューアルオープンした。


建物や設備などのハード面の改装だけでなく、働くスタッフ一人ひとりの想いや姿勢、スキルなどのソフト面も丸っと変える「リモデル」を行い、老舗企業の社内改革も断行。創業100年にちなんで、スタッフ自らがお客様視点にたって100個の改善案を考え出し、「全員参加で接客地域NO.1」の実現を目指している。

プロが認める良質の魚介類「常磐もの」


「常磐もの」とは、福島県で水揚げされる魚介類や、伝統的な製法と工夫によって作られる水産加工物のこと。福島県沖は親潮と黒潮がぶつかる”潮目の海”であることから、魚のえさとなるプランクトンが大量に湧きあがり、質の良い魚がたくさん水揚げされる。

水産物の取り扱い世界最大級の築地市場で水産関係者に電通が行った「平成27年水産関係者調査」では、99%が「常磐ものは美味しい」と回答。高い品質と味わいを誇り、プロが認める水産資源でありながら、その魅力は全国各地の人にまだ十分に伝わっていないのが現状だ。

鮮魚コーナーでの販売や低価格の海鮮丼も登場


新しくなった鮮魚コーナーには、氷の上にずらっと色とりどりの鮮魚が並び、その中でも「常磐もの」を目立つ位置に配置。パック商品にはシールを貼り、手に取りやすくなっている。ポスターも掲示し、おのざきに来れば自然と「常磐もの」という言葉が目に入ってくるようになっている。


売場に併設する「潮目食堂」では、常磐ものや旬の魚料理を味わうことができる。今回、席数を倍以上の33席に増やし、メニューをすべて一から見直した。


鮮魚専門店だから実現できる鮮度抜群の海鮮丼を低価格で提供。常磐ものを含む8種類のネタが楽しめる「海鮮8種丼」1200円(税込)などの新メニューが登場した。