無理だと決めつけたり焦らせたりする言葉
「徘徊がひどい80代女性は、排尿後もすぐに尿意を訴え、1日に何十回もトイレへ。歩行が不安定のため、その都度ナースコール対応でトイレ介助が必要な状態ですが、ほかの業務が立て込んでいると毎回付き添うのは困難です。家族が付き添いを担当してくれた際、ずっと付き添わなくてはならず徐々にイライラが募った様子……。『さっきも行ったでしょ!』、『行ってもどうせ出ないんだから!』と喧嘩に発展。しかし、否定されるほど尿意を強く訴えるようになってしまいました」
否定言葉は原則NG!
家族からすると何で?と思うような行動もあるかもしれませんが、患者さん本人はわざと困らせようとしているわけではありません。思いや行動を否定してしまうと、傷ついたり動揺したりして、混乱を深めることになってしまいます。その結果、認知症が悪化してしまうことも……。近親者だからこそイライラしやすくキツイ言葉をかけてしまいがちですが、認知症の人に適した接し方を意識することが大切です。
文・佐々木佐奈