潜水艇「タイタン」 Photo: EyePress News/Shutterstock
オーシャンゲート社は、客から訴訟を起こされないよう、徹底的に準備をしていたようだ。
6月18日(日)に消息不明となり、22日(木)にその破片が発見されたことから、乗客乗員5名が「全員死亡」したと発表されたオーシャンゲート社の潜水艇「タイタン」。
そんな同社は、ツアー中に起こり得るあらゆる事態について、賠償責任が免責となる書面を作成。乗客にサインをさせていたことがわかった。
昨年夏のツアーでも使用されたというこの書類には、重傷を負ったり死亡したりする可能性があるという内容が繰り返し記載されており、乗客はこの危険を全て受け入れ、オーシャンゲート社に対していかなる対抗手段も講じないと記されている。
この中では、たとえ船体の設計や運航に過失があったとしても、乗客は法的手段を取ることができないということが明確にされている。
乗客に向けて、「私(乗客)はここに、運行中のオーシャンゲート社の過失による身体障害、死亡、物的損害の危険性に対して全責任を負います」と記された一文があり、ここにサインするよう求められている。
この書面の記載内容は以下のとおり(一部抜粋)
「潜水作業には、実験用潜水艇の中で行われる部分がある。この実験用潜水艇は、いかなる規制機関からも承認や認定を受けておらず、人間が使用する潜水艇に広く使用されていない可能性がある」
「海面下に潜水する際、船体は極度の圧力にさらされる。もし乗船中の船体が故障した場合、重傷を負ったり死亡したりする可能性がある」
「私(乗客)は、活動に内在するリスクを理解し、物的損害、負傷、障害、死亡のすべてのリスクに対して全責任を負う。本免責条項に違反して提起された請求により、オーシャンゲート社が被る可能性のある損失、責任、損害、費用から、オーシャンゲート社を弁護し、補償し、損害を与えないことに同意する」