人命を失う大事故により事実上中止になってしまった龍神大橋プロジェクト。狩山はもとより、帝和建設にとっても橋屋としての信頼が揺らいだだけに、トップとして磯田(小日向文世)が狩山を生贄に会社を維持させる非情な決断をしたのは理解できた。ただ、その裏では磯田が都知事・榛名(賀来千香子)と隠蔽の段取りを進めていたことには驚いた。榛名が「先輩」と呼ぶ関係であり、この2人は省庁時代の同僚なのだろうか。

 狩山が描いていた正規ルートでの再審請求はほぼ期待薄だろう。唯一の希望は若手女性社員の本宮だ。彼氏である南雲のスピード出世に疑問を抱き、冷静な分析で隠蔽に気付きつつある。栄転するなら南雲よりも本宮ではないだろうか、そう思わせるほどの切れ者だ。となると、狩山は解明されていない証拠のパスワードを彼女に授けている可能性がある。第3話の予告映像で本宮が南雲を問い詰めるシーンがあるのでその線を期待したい。

 狩山の敵は帝和建設だけではない。収容された国立刑務所では区長・林(上川隆也)をはじめとした刑務官たちが日夜圧力・ストレスをかけて、狩山が奮起する心をへし折ろうとする。特に鬼刑務官として受刑者から恐れられる林は、第1話から狩山に異常なまでの怒りをにじませて対峙している。それは時折電話で話す“誰か”からの指示による言動だと見受けられたが、その“誰か”が狩山に責任を負わせて事件を収束させようとする黒幕候補であり、第2話では人物解明に進展があった。それは警察関係者ではない、ということだ。捜査一課の刑事・黒木(竹内涼真)が狩山の現状把握のために国立刑務所を訪問した際、林は黒木の意図を詮索。のらりくらりとはぐらかし刑務所を後にした黒木について、林は黒幕候補に警察関係者が来たことを報告した。仮に警視庁上層部が黒幕であればすでに黒木の捜査意向を知っているはずだ。そうなると、磯田や榛名があやしいが……。