「小生」という言葉、ビジネスシーンでなら耳にしたことがあるかもしれません。
他にも小説や手紙などで見ることが出来ますよね。
しかし、この「小生」という言葉の使い方しっかり把握できていますか?
今回はこの「小生」という言葉の使い方について解説します。
ビジネスシーンでの一人称ってどう言えば良い?
普段、なんとなく使っている一人称。
普段の生活では「私」や「うち」「僕」「おれ」「〇〇(名前)」「オイラ」「ワイ」「オラ」などなど、沢山の言い方がありますよね。
そのどれも、気の知れた付き合いの人になら誤用にもなりませんし、むしろ個性を表す大切な一人称として自分で選ぶことが出来ます。
しかし、ビジネスシーンになると注意が必要です。今まで聞いたことも無いような意味の分からない一人称の言い方が沢山あります。
日本はもともと自分のことをへりくだって言うことで敬意を示してきた国です。
手紙でもそうですよね。自分の名前は隅っこの方へ小さく書きます。
素敵な文化ですが、あまりにもややこしいと使うにも注意が必要です。
今回取り上げる「小生」はもちろんのこと、ビジネスシーンでは「小職」「弊職」なんていうあります。
自分の立場を的確に表し、相手に敬意を示す為に大切な一人称ですが、一体どういう意味で、どういったビジネスシーンで使うのが正解なのかわからなくなってしまいます。
そこで、今回は「小生」の使い方についてご紹介します。
言葉は流動していくもの。あまりにもこだわりすぎてしまうと、一人だけ古語を話している日本人になってしまうかもしれませんね。
小生ってどういう意味?
「小生」の読み方は、「しょうせい」です。
太宰治などの近代小説では良く出てくる単語ですね。
しかし、現代ではそれほど読み方を知っている人は多くありません。
これは男性のことを意味する一人称です。
大抵は手紙などに使われる一人称で、「小生は大変感謝しております。」などといった風に使われます。
仕事のマナー研修などで自分のことは小生と言うようにと指導されることもあります。
しかし…今使うとどんな風に聞こえますか?
【小生使い方】ビジネスシーン以外では?
読み方もあまり浸透していないこの「小生」という一人称。
ビジネスシーン以外ではあまり耳にすることが出来ない言葉です。
というのも、かなり丁寧な自分をへりくだった言い方。
「小生」という一人称の使い方は、例えば「拙者」などと同じような扱いです。
「拙者〇〇たん萌え止まらんでござるよ。」「小生もコミケに走る出ござる」なんて会話は、秋葉原で耳にすることが出来るかもしれません。
しかし、この例文からもわかるように、「小生」というのはもはやあまり使われていない言葉であり、言葉の流動の少ない敬語だからこそ残っている言葉だと言えます。
さらに、小生という言葉は使っている年代によってその人の印象が変わってきます。
【小生使い方】40代以前の人が使うには古風すぎ?
小生は現代ではちょっとダンディな世代が使う言葉です。
お年を召された方や、ダンディなおじさまが使っているのであれば「お仕事されてきた丁寧な方だな」といった良い印象を与えますが、まだ壮年期の人たちがこうした小生という一人称を使うと古風すぎてミスマッチです。
それこそ現代の人が「拙者」と言っているような印象を与えてしまいます。