「上野三碑(こうずけさんぴ)をつなぐ会」が、群馬県高崎市の山名八幡宮にて、5月2日(木)、母の日に向けて追加製作した「母へ贈る御守」への御霊入れを行う。

神符守札清祓式は、当日午前10時より山名八幡宮境内で母の日のための祝詞により行われ、母への感謝と称えを唱え、健康と幸せを願って祈る。

群馬県高崎市にある創建850年を迎える宮

山名八幡宮は、2025年に創建850年を迎える群馬県高崎市の山上碑の麓にある宮。社伝によればこの八幡宮は、源氏の一族、新田氏の祖である義重の子、義範が、安元年中(1175~1177年)に豊前国(大分県)の宇佐八幡宮を勧請して社殿を造営し、武神として崇敬したのを始めとしている。

その後、玉依比売命(たまよりひめのみこと)、品陀和気命(ほんだわけのみこと=応神天皇)、息長足比売命(おきながたらしひめのみこと=神功皇后)の三柱を祭神として祀り、祭祀を絶やすことなく、今日に至っている。

母の健康と幸せを願う御守


「母へ贈る御守」は、飛鳥時代、母へ言葉を残した僧・長利の想いが刻まれた「山上碑」にちなんだ、母の健康と幸せを願う御守。「山上碑」の麓にある山名八幡宮で御霊入れされている。


メッセージカードや封筒と共に、山名八幡宮境内や、「TO MOTHER -山上碑保全プロジェクト-」オンラインショップで授かることができる。初穂料2,000円の一部は、山上碑の保全活動として寄付される。オンライン授与の場合の送料は、一律500円だ。

日本最古の石碑「山上碑」


「山上碑」は、上野三碑(山上碑・金井沢碑・多胡碑)の一つで、飛鳥時代の681年に建てられ、完全な形で残っているものとしては日本最古の石碑。上野三碑は、日本に18例しか現存しない古代(7~11世紀)の石碑のなかで最古の石碑群であり、1300年前の東アジアにおける文化交流の実像を示す極めて重要な歴史資料として、2017年10月、ユネスコ「世界の記憶」に登録された。

「上野三碑をつなぐ会」理事長の木内幸一氏は、「2017年10月に高崎市の歴史的文化遺産である上野三碑がユネスコ『世界の記憶』に登録されましたが、全国的にも同地域においても碑の知名度はまだ低いのが現状です。そこで、同会は2018年4月、上野三碑の歴史的・文化的価値を周知させ、その魅力を発信し、地域活動活性化に寄与するために設立されました。山上碑について我々は『TO MOTHER -山上碑保全プロジェクト-』を立ち上げ、『母へ贈る御守』を山名八幡宮だけでなく、日英で書かれたオンラインでも授与することで、広く国内外に周知させ、継続的かつ安定的な保全活動に繋げたい」とコメントしている。


なお、山上碑保全活動「TO MOTHER -山上碑保全プロジェクト-」では、御守授与による寄付に透明性のある遺産保全の仕組み「1 COIN SAVING HERITAGE」を導入している。御守初穂料の内訳や使われ方を開示することで、社会的透明性を持たせ、未来へつなげる遺産保全活動のモデルケースにしたいと考えているという。