◆ハラスメント調査では、6割が「無茶ぶり」を体験していると回答
テレビ番組を見ていると「昔の撮影現場はめちゃくちゃだった」「今だったら絶対アウト」と口にする芸能人は多い。裏を返すと、今の撮影現場は大分クリーンになったと言いたいのかもしれない。しかし本当にそうだろうか。
日本芸能従事者協会が今年実施した「芸能・芸術・メディア業界のハラスメント実態調査アンケート2022」という調査がある。役者やデザイナー、映像スタッフなど、芸能や芸術に従事する418人を対象に実施したものだ。
この調査によると、「過大な要求[不要/遂行不可能なことの強制]」を体験したり、見聞きしたと回答した人は55.9%と半数以上。「精神的な攻撃 [脅迫/名誉棄損/侮辱/酷い暴言]」に至っては83%だった。
誰からのハラスメントだったか聞くと、「監督・演出家・スタッフ」(59%)が最多。さらには具体的なハラスメントの内容について、「脱ぐ演出を強要された」「芸術監督、演出家、振付家からのパワーハラスメント。過大な要求」といったコメントが寄せられた。