◆ノスタルジーだけではない、迫りくる“熱量”

1995年に流行ったファッションや音楽、当時の渋谷カルチャーを“空気感”まで再現度高く描写している本作。当時中学生で、渋谷にやたら憧れていた筆者世代にはとにかく懐かしい!

しかし、ただノスタルジーを感じる作品ではありません。“チーマー”と呼ばれる若者集団がそこかしこにいた渋谷を舞台に、「世界は終わるのか?!」「生きるとはなにか」「カッコいい大人になりたい」と、社会の仕組みや大人に抗う。そんな10代特有の不安定さとがむしゃらさを、髙橋、中川らが繊細に表現しています。

はじめ髙橋・中川の高校生役はちょっと……と思いましたが、背伸びして大人然としていた当時を感じさせていて納得! それほどに、1995年を生きた若者の圧倒的な“熱量”が画面からほとばしっています。第3話のラストはショッキングな展開となり、ますます目が離せそうにありません。今からでもまだ間に合うので、ぜひ追いついてほしい作品です!