廃棄予定の宇治茶を、「植物」という概念で、香りも楽しめる観賞用植物として提案する京都府宇治市の「茶和花 京都宇治」本店が、母の日に向けて4月20日(土)にリニューアルオープンした。

宇治茶を植物として楽しむプロダクトを発信

「茶和花 京都宇治」は、平等院からほど近い、京都府宇治市の観光の中心地に小さな店舗を構えている。

茶和花の製造

宇治市の名産、宇治茶は、世界中で親しまれる宇治の誇りでありながら、茶園の厳しい品質管理上、食品がゆえに市場に卸されない食品ロスも存在する。見た目も香りも一般人には分からないほど美しい廃棄予定の宇治茶をアーティストの力で蘇らせることはできないか、そんな思いで茶和花のプロダクトは誕生した。

茶和花3寸宇治駅

「若者の日本茶離れといわれるなかで、こんなにも心がやすらぎ、美味しい大切な宇治茶を知ってほしい」「ビジュアルを通して宇治茶を知ってもらうきっかけを作り、宇治に人が訪れ、宇治茶を飲んで、宇治茶のファンになってもらえれば」という思いのもと、宇治茶を飲むのではなく、宇治茶を植物として楽しむプロダクトを発信している。

茶和花の鞠

店舗のメインプロダクトは、先人の知恵と自然とが作り出す宇治茶の美しさを、植物として花(プリザーブドフラワー)と共に木箱の中でアレンジすることで香りも楽しめる観賞用植物だ。その他、お茶の香りを楽しむ茶香炉や、茶葉の入浴剤など、お茶を楽しむプロダクトを提案している。

母の日に向けて本店がリニューアルオープン

茶和花が提供するサスティナブルな宇治茶のアップサイクル商品は、お茶が好き、花が好き、いつもと違ったお花をプレゼントしたいということで、例年母の日に向けて全国から注文が殺到。母の日には店舗内の商品が完売するほどだという。

茶和花の黒貼り箱(左)、茶和花新店舗外観(右)

そして、今年は母の日に向けて、本店をリニューアルオープン。茶和花が納められる黒BOXを店舗そのもので表現し、より「茶和花 京都宇治」の世界観を感じられる店舗となっている。

茶和花開発の背景とSDGsへの取り組み

宇治に綿々と引き継がれ、栽培されてきた大切な宇治茶は、非常に繊細な植物でもあり、だからこそ栽培が難しく、茶園の人たちが苦労して手間を惜しまず、たった1日の気候の変化、温度の変化でさえも敏感になりながら育てている。こうして、繊細で深みのある香りや味を楽しむことができ、宇治の大切な特産品として世界に発信されている。しかしながら、繊細な植物であるがゆえ、食すことができる期間も限られてしまう。

茶和花で使用する茶葉は、すべて口にすることができない茶葉というものを茶園から仕入れて、捨ててしまうことなく、見て楽しむ香りを楽しむというかたちで活用。宇治で生産された茶葉を宇治の中で「つかう責任」を果たすことを目指し、SDGs12番「つくる責任・つかう責任」に取り組んでいる。