ありそうでなかった“アートセレクトショップ”「VOID+STOCK」は、5名のアーティストによる特別展「[VOID+STOCK] exhibition part: 1」を、1月19日(金)〜2月12日(月)の期間、東京・南青山にあるvoid+で開催している。

アーティストのアトリエに眠る作品の再発掘

「[VOID+STOCK] exhibition part: 1」のテーマは、アーティストのアトリエに眠る作品の再発掘。5名のアーティストが一堂に会し、人の目に触れることの少なかった“ストック品”をメインに未発表作品や新作も加え、アートの魅力を最大限伝えるために空間全体をキュレーションする。

さらに、アーティストとの交流を促すためのイベントも開催し、より身近な存在としてのアートの可能性を探る。長年にわたりアートとデザインを結びつけてきたvoid+ならではのアートとインテリアのコーディネーションだ。

5人の作家が出展

出展作家は、内海聖史氏、庄司朝美氏、五月女哲平氏、東恩納裕一氏、O JUN氏。


内海聖史氏は、“絵画の美しさは絵の具の美しさ”と考え、筆や綿棒で点描する技法によりいくつもの色をドットとして重ね合わせ、そのバランスや色の組み合わせにより無限の表現を生み出す。空間に合わせて制作する点も特徴で、キャンバスや展示方法を選び抜き、空間の空気感まで考慮している。


庄司朝美氏は、絵の具をそのままアクリル板に溶かす独自の手法や油彩、ドローイングを用いて制作する。描き始めの筆跡や鉛筆を走らせる“思いつき”や絵の具が混ざり合い新たな形が生じる“作品に起こっていること”を全身で客観的に感じ取りながら、イメージを形にする。


五月女哲平氏は、変形キャンバスや自立する支持体を用い、またメディウムの積層から作品の成立を試みるなど、絵画の物質的側面に着目。そこに自身が捉えた事象を介在させ、新たな作品の在り方を模索している。絵画を中心に、立体、写真、映像を組み合わせた作品なども展開する。


東恩納裕一氏は、身の回りにあるモノに潜む“不気味さ/unheimlich”(フロイト)をテーマに、90年代に制作をスタート。蛍光灯を多用した「シャンデリア」シリーズ、グラフィティにインスピレーションを得たスプレーによる絵画「Flowers」シリーズのほか、複数メディアにより作品を展開する。


O JUN氏は、見覚えのある場面や聞き覚えのある事象などを、記号化されたイメージや大胆な余白を用いて抽出し、本来の背景や意味さえもそぎ落とされた抽象とも具象とも取れない独自の解釈によって内在化された作品を生み出す。