最近「断捨離」がブームだというライターのふねさん。“聖域”だったコスメボックスの中のアイテムも思いきって整理し、量も半分以下に減らしたと言います。生粋のコスメ好きのふねさんが、ものを手放そうと思えるようになった理由とは?
■ゴチャゴチャだからこそ幸せ。“聖域“だったコスメボックス
誰にでも落ち込んだり、気分がくさくさしたときに「ついしたくなること」があると思います。
お酒を飲んだり、甘いものをたくさん食べたり、クラブで踊り狂ったり……私にもいろんな「ついしたくなること(もとい悪癖)」がありましたが、最近は断然「断捨離」がマイブームです。
「落ち込んで家がきれいになるならいいじゃない」と思われる方もいるかもしれませんが、そうでもありません。深夜でも、へとへとに疲れていても、そんな事情はお構いなしに烈火のごとくものを捨てずにいられないのは、けっこう大変。
仕事が立て込んでストレスが溜まっていたときなどは、「もう捨てるものがない!」と、ガランとした部屋で欲求不満を抱えることもありました。
そんな私にも、3箇所だけ断捨離の対象外にしている“聖域”がありました。本棚と、お茶の葉っぱを詰め込んだ引き出し、そしてコスメボックスです。どれもなくてはならない大切な趣味の品々が詰まっていて、これまで大切に集めてきたコレクションの集大成でもあります。
なかでも化粧品は仕事でいただくものも多く、ハイペースで増えていく一方。コスメボックスは常にパンパンの状態でしたが、「このゴチャゴチャが幸せなんだよね~」と特に気にすることもありませんでした。
■私のもとに来た化粧品たちは不遇だった
ところがある日ふと、そのコスメボックスを見て、「私のもとに来た化粧品は不遇なのでは?」と気がついてしまい……。好きなものをたくさん所有できて私としては嬉しいけれど、化粧品の側からしたら、こんな箱の中に詰め込まれて、ポテンシャルを活かしきれていないのでは? かわいそうなのでは? と思ったのです。
たとえば見目麗しい、ゲランのローズリップ。ミラーつきのケースが高級感たっぷりなのはもちろん、唇をふっくら潤してくれるうえ、上品かつ地味にならないローズカラーが長続きする——。美と機能性を兼ね備えた大好きなアイテムですが、かつての私のコスメボックス内では完全に埋もれてしまっており、ぱっと見ただけではどこにあるのかすらわかりませんでした。
こんなに素敵なものを、たとえ自分のコスメボックス内とはいえ埋もれさせておいていいのか? と考えたとき、もちろん答えは「ノー」でした。
ペットを飼うのと同じで、ものであっても我が家に迎えるからには幸せな一生をまっとうさせてあげたい。そう思うのは、それが大好きなコスメであればなおさら自然な流れでした。
■ものを所有・管理するのにも時間やエネルギーが必要
そんなわけで、まずは過去の自分が犯した化粧品に対する数々の虐待行為を猛省。あれほど「たくさん集めたい!」と固執していた所有欲も失せ、本当に使いたいものだけを残して、量も半分以下に減らしました。
今後は美しく収納して、自分が面倒を見きれ、きちんと使いきれる分の化粧品だけを所有しようとしみじみ思っています。
当たり前ですが、ものを所有・管理するのにも時間やエネルギーが必要です。たとえば洋服なら、シワがつかないようにきれいに畳んで収納したり、定期的にクリーニングに出したり。買ったあともそれなりのお手入れが必要になります。
そして、時間とエネルギーはどうあがいたって有限で、自分がきちんと管理できるものの量にも限りがある。であれば、好きなものほど数を厳選して持ちすぎず、その分一つひとつをきっちり愛でるという楽しみ方もあるのではないか? そんなことを考えさせられる出来事でした。
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