“今さら”の話ですが、2018年に菊池雄星がマリナーズと7年で約120億円の契約を結んだことを考えると、実績で上回る菅野が2018年か2019年にMLBに行っていれば、菊池以上の契約を結べたはず。一方では昨年オフ、8年間で64勝しか上げていない今永昇太がカブスと4年5300万ドル(≒77億円)で契約しており(菅野は8年目までで101勝)、菅野は完全に売り時を逃しました」(フリーのスポーツライター)

 山本由伸の3年連続投手4冠には及ばないが、菅野の最多勝3回、最優秀防御率4回、沢村賞2回、MVP2回という実績も凄まじい。しかも本人はバリバリのメジャー志向だったのだ。しかし、100億円単位の契約を取り逃したのも、自分の決断が招いた結果だ。

「菅野は大学卒業時、巨人入りを切望していましたが、ドラフト会議で巨人と日本ハムから1位指名を受け、抽選で交渉権を獲得したのは日本ハムでした。菅野は球団を固辞し、1年浪人の道を選びました。“たられば”の話になりますが、もし菅野がすんなり日本ハムに入り、巨人並みの成績を残していれば、田中将大がヤンキースと結んだ7年160億円クラスの契約が結べたはず。日ハムはポスティングもOKなので、田中やダルビッシュ有に負けないぐらい稼げたでしょう。

 もっとも、菅野は実績も貢献も抜群で、浪人して巨人に入っており、しかも原辰徳が伯父という血筋。間違いなく将来の巨人の幹部候補生の一番手です。菅野がユニフォームを脱いだ後も、読売グループは全力を挙げて菅野をバックアップするでしょうから、“辰徳おじさん”と同じく“生涯・巨人”を貫くのも1つの生き方かもしれません」(同上)

 抑えで覚醒するか、先発で圧倒的な成績を残して渡米するか、すっかり過去の人となるか……チーム成績も重要だが、菅野にとっても選手生命をかけた大事な1年になりそうだ。