◆野木亜紀子の脚本に「悔しい!」と感じたワケ

芳根京子さんインタビュー
映画『カラオケ行こ!』より
――脚本担当の野木亜紀子さんとは、ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京)でも組まれていますが、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)など多くの人気作品を手がけ、とてもファンの多い脚本家さんです。芳根さんは野木さんの脚本の魅力はどんなところだと思いますか?

芳根:私が語るのはおこがましいんですけど。脚本ってリアルなだけじゃたぶん面白くないんですよね。“こういう人いる?”“いるわ!”みたいな、ギリギリのところが面白いと思うんです。

 特に今回のように原作がある作品を実写にするとなると、設定にちょっと無茶(むちゃ)があるものもあると思います。

 でもそれさえも気づかぬうちに波に乗せられてしまって、その世界にどっぷりといる自分がいるとドキッとします。

 それから何気ない一言が刺さるというか。だからこそ、演じる側としては難しいところもあると思うんですけどね。

 ほんのちょっとの間だったり言葉だったり、そういうものがポンって軽く投げられた感じなのに、スンって深く心に刺さる感じがしますし、悔しいなって思っちゃいます。

芳根京子さんインタビュー
映画『カラオケ行こ!』より
――悔しい、ですか。

芳根:たとえば今回の『カラオケ行こ!』だと、まんまと笑えるところは笑っちゃうし、グッとくるところはグッときちゃうし。

 本当に“まんまと”という感じなんです。野木さんと、山下(敦弘)監督のマジックに見事にかかっているのだと思います。

 そこが悔しいし、また嬉しいという感じです。

芳根京子さんインタビュー
映画『カラオケ行こ!』より