◆SNSの朝ドラ考察文化の役割
寅子は、その時代において“常識”とされていることに「はて?」と疑問をいだく。それをわからないこととして放置せずに自分で考え、具体的なアクションにつなげる――ゆえにその人物造形が「現代的」であると評されることも多い。
SNSで「#虎に翼」「#トラつば」と検索すれば、寅子への共感の声、「よくぞ言ってくれた!」というような支持の声がずらっと並ぶ。この現象を、瀧波さんはどう見ているのか。
「いろんな人から意見を聞いてみないとなんとも言えませんが、このドラマの新しさを感じ取り『すごい』と思っている層と、なんとなくいつもと違うけどなんだろうとはっきりわからないまでも『面白い』と感じている層と、さらに、面白いのかどうかわからないと思っている層……などがいるのではないかなと思います。
そんななかで、10年以上前からTwitter~Xでつづいている、朝ドラ考察クラスタの文化の存在は非常に大きいと思います」(瀧波ユカリさん 以下カギカッコ同じ)
瀧波さん自身、視聴後に必ずといっていいほどハッシュタグをつけて投稿している。
「朝ドラはあまりつづかないタイプなので、考察の常連メンバーではないのですが」と前置きしたうえでこうつづける。
「この展開にはこういう意味があるとか、今回の見どころはここだったとか、ドラマを見て言語化するスキルを持った考察クラスタの人たちの言葉を見ること含めての楽しみになっているし、視聴者の理解度の底上げにつながっていると思います。
私の投稿するポストへの反響もとても大きく、このドラマのことをもっと知りたい、理解したいという視聴者の思いの強さを感じています」
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