「『世界一受けたい授業』は、PTAが選ぶ『親が子に見せたい番組』で、2006年から6年連続で1位を獲得。楽しく学べる番組として定評がありましたが、近年視聴率は低落傾向にあり、20年目の節目が打ち切りのタイミングになりました。30年以上も続いた『ふしぎ発見』も視聴率は下がり気味でしたが、気の毒だったのはコロナ騒動です。売りである海外ロケができなくなってしまい、番組のパワーが一挙にダウン。昨年4月からは番組の顔である草野仁に替わって、フリーアナの石井亮次を総合司会に迎える荒療治を行いましたが、数字は上向くことなく、ついに終了を迎えることになりました。一方、『ブラタモリ』は状況が異なり、特番の可能性があります。こちらは毎週確実に視聴率2ケタをキープする超優良コンテンツで、NHKはまだまだ続けたかったはずですが、来年80歳のタモリが長時間にわたって野外ロケを行う現状の収録方法はそろそろ限界。NHKは特番で続けることに含みをもたせており、何とかタモリに負担がかからないようなスタイルを模索するようです」(テレビ情報誌記者)

 テレビが“一家に1台”から“ひとり1台”あるいは“テレビは見ない”となった今、“家族で楽しめる番組”という発想自体が時代遅れなのかもしれないが、老若男女が同時に楽しめる番組を作るために重ねた苦労は、並大抵ではなかったはずだ。テレビマンの間では、こういった番組が終わることで、“いよいよテレビも終わり”という声さえ上がっているという。

「『ふしぎ発見』や『世界一受けたい授業』は、他の番組のスタッフがうらやむほどお金や手間が掛けられており、やっかみの声が上がる一方、目標でもあった。『ふしぎ発見』は地球上のあらゆる場所が舞台でしたし、『世界一受けたい授業』には昨年、岸田文雄首相が講師として出演しました。現役首相がバラエティ番組に出演するのは異例中の異例で、そのことだけでも番組の格が分かります。番組作りに携わる若手たちは、頑張り続けていれば、いつか夢のようなことができる贅沢(ぜいたく)な番組を作らせてもらえると誰もが信じていました。しかし、そういった夢のある番組は次々と終わり、番組作りのスケールはどんどんと小さくなるばかり。制作現場の士気は下がる一方です」(キー局関係者)