◆「当たり前に出産すると思ってた」生活が一変

 千香子さん(仮名・34歳)は大学入学を機に上京し、卒業後は旅行会社の営業職に就きました。数年後、社内で出会った先輩と結婚。当時の思いについて千香子さんはこのように振り返ります。

結婚
写真はイメージです(以下同じ)
「就職から結婚までとんとん拍子で進んでいたこともあったので、その延長線上で『あと2、3年働いたらタイミングの良いところで出産できたらいいな』と考えてました。でも本当にぼんやり何となく考えていただけで、お金のことも健康のことも将来あるべき夫婦家族の姿も、具体的なイメージは全然できていませんでしたけどね」

 結婚してからもバリバリと仕事と夫婦生活を両立させていた千香子さんでしたが、ある日身体の不調をきっかけに婦人科を受診することになりました。

「色々検査をして先生から『次回の受診の際に大切な話があるので、もし可能なら旦那さんも受診に来てもらえませんか?』と言われました。不安の中で後日受診をすると、先生から、妊娠が難しい身体だと告知されました。

 妊娠のためには不妊治療が必要だということ、それも、何度もチャレンジしてやっと妊娠できるかどうかというレベルだと言われ、その日は夫ともほとんど話さず一晩過ごしました」

告知
 千香子さんは、それまで漠然と考えていた人生設計を改めて考えなければいけないと、強い不安を抱き始めました。

 体調不良のため仕事量の調整をしながら日々の生活を送っていた千香子さんですが、自身が抱いていた「普通に結婚して出産する」というビジョンをどのように変えていけばよいか思い悩む日々が続いていました。不妊治療をするとなると、時間に関してもそうですが、金銭的、身体的負担も増えます。現在と同じ生活サイクルではやっていけない現状と、どう向き合うべきかと考えていました。