沖縄県南城市の「みんなのいえ」は、日本財団「子ども第三の居場所」の採択を受け、家でもない学校でもない子どもの新しい居場所である「子ども第三の居場所 みんなのいえ」を3月25日(月)に開所し、同日に開所式を執り行った。

「子ども第三の居場所」とは

「子ども第三の居場所」は、すべての子どもたちが将来の自立に向けて生き抜く力を育むことを目的として、日本財団が中心となって2016年より全国に開設している居場所。特にひとり親世帯や親の共働きによる孤立や孤食、発達の特性による学習や生活上の困難、経済的理由による機会の喪失など、各々のおかれている状況により困難に直面している子どもたちを対象に放課後の居場所をつくり、食事、学習習慣・生活習慣の定着、体験機会を提供しており、今では全国に211カ所設置されている(2024年3月25日時点)。

子どもを“まんなか”にすえ、地域で育み合う居場所

「みんなのいえ」は、多文化共生社会の実現というビジョンと『人と人の間に「橋をかける」』というミッションのもと、独自の対人支援に取り組んでいる。

2020年度から3年間は、南城市の補助を受けた子どもの居場所を運営し、子どもたちの健やかな成長を支える事業を進めてきた。2023年9月からは障害福祉の相談支援事業を開始し、支援対象を成人まで拡大している。

この度、子どもを“まんなか”にすえて地域の人々と交流を育み合う居場所を目指し、「子ども第三の居場所 みんなのいえ」を開設する運びとなった。

3つの建物とツリーハウスで構成


「子ども第三の居場所 みんなのいえ」は、海に近接する林の中にあり、「自分だけの居場所」を保証するために、独立した3つの建物とツリーハウスから構成されているのが大きな特徴。

それぞれはウッドデッキで繋がっていて、小学校から高校生までの子ども・若者と地域の大人など異年齢・異文化の人々が交流することもできる。広々としたウッドデッキがあるので、雨天でも思い切り体を動かし遊べるのもポイントだ。

今後は、地域で活躍している人を招いた特別講座や直営農場兼ミニミニ動物園での活動を予定しているほか、地域の人たちと交流ができる仕組みづくりを行っていくという。

暖かい雰囲気の開所式に

開所の式典では、「みんなのいえ」代表の福田展也氏が、「この場所が自分らしくあれる場所であることはもちろんのこと、自分が一人ではないと思える場所、将来困難にぶつかった時に戻ってこられる場所にしたい」と挨拶した。

式典終了後には子どもたちが作った沖縄の伝統料理も振舞われ、地域の人たちと一緒に開所をお祝いし、とても温かい雰囲気の開所式となったそうだ。

南城市に誕生した誰一人取りこぼさない地域子育ての“ハブ”、「子ども第三の居場所 みんなのいえ」に注目だ。

■子ども第三の居場所 みんなのいえ
住所:沖縄県南城市玉城字玉城40番地
対象者:小学校1年~高校生等
開所日時:週4日(平日10:00~20:00、休日10:00~17:00)
HP:https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/child-third-place

みんなのいえHP:https://www.okinawabridgebuilders.com/

(鈴木 京)