スタンドによってガソリン価格に結構違いがありますよね。ドライブして別の県に行くともっと価格が違うこともあり、場合によっては30円以上安いことも。

なぜこのような差が生まれるのでしょうか。今回は政治経済ジャーナリストの筆者が、ガソリンが格安になる理由を解説します。

ガソリンが安くなる3つの理由

最初の3つの理由はいたってシンプル。販売する側の立場になれば当然のことです。

・理由1:「油槽所」から近いから
ガソリンを一時的に貯蔵する「油槽所」から近いと、販売価格を安く設定しやすくなります。

・理由2:「販売量」が多いから
ガソリンの販売量が多いスタンドでは、利益率を低くしても、利益を伸ばせます。そのため、混んでいるスタンドは販売価格を安くできます。

・理由3:「セルフ式」にしているから
セルフのスタンドは人件費を抑えられるため、販売価格を安くすることができます。

ガソリンが安くなる理由4:「元売り系」か「それ以外」か

そして、最後の理由が重要です。

基本的に、石油の元売り会社が経営しているガソリンスタンドは、価格が高いです。一方、それ以外で経営されている商社系や独立ブランド系のスタンドは価格が安いです。なぜでしょうか。

大まかにその理由を説明すると、商社系や独立ブランド系のスタンドは、石油の元売り会社の「余った石油」を安く仕入れ、販売しているからです。

あまりにも価格が安いと「水が混じっているのでは?」「品質が悪いのでは?」と思う人もいるでしょうが、販売しているスタンドが異なるだけで、品質に違いはありません。

格安ガソリンでも安心です

これらの理由が複数あてはまるスタンドでは、ガソリンが格安で販売されている可能性が高くなります。すなわち「油槽所から近く、販売量が多く、セルフであり、元売り系ではない」スタンドが狙い目なのです。

逆に「油槽所から遠く、販売量が少なく、セルフではなく、元売り系である」スタンドは、価格が高くなる傾向にあります。

ただし、この傾向に当てはまらない場合もあります。それは、スタンドによってどのような戦略で利益を上げていくか、考え方が異なるからです。例えば「ガソリン価格を安くしてお客を集め、点検や整備で利益を狙う」といった戦略もあり得ます。

いずれにしても、格安ガソリンでも水が混じっていないことは確かです。ご安心ください。そんな噂を聞いても都市伝説だと思って、信じないでくださいね。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。