時代の変化によって、惜しまれつつも販売終了になってしまった飲み物はたくさんあります。人気商品が突然終了してしまうのは、生産コストの高騰や、消費者の嗜好の変化が関係しているためです。今日、あなたがコンビニやスーパー、自動販売機で買ったその飲み物も、近い将来販売終了になるかもしれません。

今回は、いつの間にか販売終了になった飲み物を5つピックアップしました。

「こつぶオレンジ」つぶつぶがたまらない

「こつぶ」というみかんの粒がたくさん入ったオレンジジュースを覚えていますか?ツナ缶やフルーツ缶などを製造・販売する「はごろもフーズ株式会社」のジュースです。人気お笑いコンビ「サンドウィッチマン」のコントにも出てきます。

粒入りジュースの先駆けともいわれ、みかんの甘酸っぱさを感じられるジュースでした。ただし、現在ははごろもフーズ株式会社が飲料事業から撤退しているため、幻のジュースになっています。

「HI-C」復刻版に出会えるかも!

日本コカ・コーラ株式会社が販売していた「HI-C(ハイシー)」は、1973年に誕生した果汁入り清涼飲料です。オレンジ味やアップル味などのフレーバーがあり人気を博していましたが、「ミニッツメイド Qoo(クー)」が誕生したことで、1999年に販売が終了しています。なお、2021年7月から青森県、岩手県、秋田県の北東北3県限定で復刻版の販売が開始されました。このエリアに出かけたときはチェックしてみましょう。

「燃焼系アミノ式」斬新なCMが印象的

サントリーホールディングス株式会社が2003年より販売していた「燃焼系アミノ式」も2009年に販売を終了しています。女子高生がその場で回転しだす、サラリーマンがポールダンスをするかのように鉄棒を登りだすといった印象深いCMを覚えている人もいるかもしれませんね。なお、同社ではその後「DAKARA」や後継品である「GREEN DA・KA・RA」などのスポーツドリンクを販売しています。

「ごめんね。」超微炭酸が人気の時代

デザインもネーミングも珍しい「ごめんね。」というドリンクを覚えていますか?困った顔をしたうさぎがデザインされた缶を思い出す方もいるかもしれません。また、合唱に乗せて商品名を伝えるインパクト抜群のCMを覚えている人も多いでしょう。

こちらもサントリーホールディングス株式会社が販売していた、超微炭酸の3種類の果汁をブレンドしたジュースです。1999年から販売が開始されたものの、その後販売が終了しています。

「ボルヴィック」国産が好き?

キリンビバレッジ株式会社が販売していた「ボルヴィック」が、2020年で販売終了になっているのをご存じですか?輸入先であるフランスの「ソシエテ・デ・ゾー・ド・ボルヴィック」との製造委託契約が終了したことが理由です。以前は、海外の天然水が人気でしたが、国産の天然水へと嗜好が変わったことも関係していました。なお、2021年5月には水を汲んでいたボルヴィック水源の枯渇が報道されており、フランス国内でも生産中止になる可能性もあるかもしれません。

復刻版に期待

ジュースに限らず飲料・食品は毎年たくさんの新製品が投入されますが、定番として残れるのはほんの一握りです。この記事で紹介したジュースもある意味「定番として残れなかったもの」といえます。しかし、「HI-C(ハイシー)」のように、地域限定で復刻版を販売するなどの形でまたお目にかかれるかもしれません。こまめにチェックしてみましょう。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。