クリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』アカデミー賞®キャスト特別映像
この度、『オッペンハイマー』が待望の日本公開を迎えた。第96回アカデミー賞®でキリアン・マーフィーが《主演男優賞》、ロバ ート・ダウニー・Jr.が《助演男優賞》を W受賞した本作は、エミリー・ブラント、マット・デイモン、フローレンス・ピューら、演技力が高く評価される豪華キャストも魅力となっている。初日に合わせて、キリアン・マーフィー、ロバート・ダウニー・Jr. らキャストが登場する「クリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』アカデミー賞®キャスト特別映像」が解禁された。
映像は、ロスアラモスの砂漠で実験に挑むオッペンハイマーが、「我々は未来を想像し、その未来に恐怖を覚える」と世界を変える可能性に言及する場面から始まる。アカデミー賞®《主演男優賞》に輝いたキリアン・マーフィーが演じる J・ロバート・オッペンハ イマーはアメリカの国家プロジェクト「マンハッタン計画」を率いた。
出演を快諾したキャストたち
彼の頭脳と心に観客を導くために、監督・脚本・製作のクリストファー・ノーランは「初めて一人称で脚本を書いた。オッペンハイマーの視点で読み進めてほしくてね」と語る。脚本を読んだマーフィーは「珍しい形式だから一瞬戸惑ったけど、意味が分かった時、責任重大だと感じたよ」と気を引き締めたと言う。 第二次世界大戦を終結させるために、ナチスよりも先に原子爆弾を作らねばならない彼には一刻の猶予もないのだ。
主役にキリアンが決定すると、監督は「脇を固める名優も必要だ」と、ロスアラモス研究所に集う科学者、軍人、家族らのキャスティングを進める。エミリー・ブラントは「クリス(クリストファー)に呼ばれたらどんな作品でも出る」と妻キティ・オッペンハイマー役を快諾、かつての恋人ジーン・タトロック役のフローレンス・ピューも「断るなんてイカれてる。おそらくみんなそう言うはずよ」 と出演を決めた。
戦後、オッペンハイマーと対立することになるアメリカ原子力委員会の委員長で米海軍少将の難役ルイ ス・ストローズを演じて、初のアカデミー賞®《助演男優賞》を受賞したロバート・ダウニー・Jr.は、 「台本を読んだ瞬間、非常に鋭いビジョンがあると感じた。それを再現できたら名作になるだろう」と 確信した。ビジョンとは、オッペンハイマーの主観をカラーで描き、戦後に出会った後、やがてオ ッペンハイマーと対立していくストローズのパートをモノクロで撮影したノーラン監督の映像表現への 挑戦を指している。
続いて、マンハッタン計画を最高責任者レズリー・グローヴス役のマット・デイモンが登場、米陸軍の将校である「グローヴスを知るため彼の経歴を調べ、クリスに人物像を確認した。軍人のグローヴスはいわば科学者たちの子守役だ」と、研究に没頭し予測不能な科学者たちを見守る存在だったと役作りを進めた。
ロバート・ダウニー・Jr.は、「ストローズという人物を中立的な視点で理解した。有能で正義感の強い役人だが常に画策している。裏で糸を引いているんだ」と、時には強引に 計画を進めるストローズを体現しています。 エミリー・ブラントは「女性らしさを求める風潮に、キティ・オッペンハイマーは逆らった。彼女の反骨精神にすごく心を引かれた」とし、フローレンス・ピューは「ジーン・タトロックは利己的だけど、オッペンハイマーをはじめ誰も彼女をとがめない」と、先見的なふたりのキャラクターを作り上げていった。
キリアン・マーフィーは、「オッペンハイマーの視点は特異だ。物理学者としての行動や責任にすごく興味があった」と語り、マーフィーとロバート・ダウニー・Jr.をアカデミー賞®ダブル受賞に導き、自身も初となる《監督賞》に輝いたクリストファー・ノーラン監督は「主要キャストの演技力に加えて、全体としての調和も重視している。それを肌で感じているのは役者自身だ。監督として彼らの視点を持つために毎日現場に足を運んだ」と結んでいる。
クリストファー・ノーラン監督と俳優たちの名演技が結実した『オッペンハイマー』を、ぜひ劇場でご体感いただきたい。