「都合がつく」という言葉は、ビジネスシーンでよく見かける表現です。しかし、どのように使用すれば正しいのか、目上の人に使用しても良いのかなど、曖昧な部分も多いのではないでしょうか。そこで「都合がつく」の正しい使い方や敬語表現について説明していきます。

「都合がつく」と「都合のつく」「都合が合う」はどちらが正しい?

「都合がつく」の敬語表現は?ビジネスでの正しい使い方
(画像=『Lovely』より引用)

「都合がつく」に似た言葉として「都合のつく」や「都合が合う」がありますが、一般的には「都合がつく」と表現されることが多いです。では、「都合のつく」や「都合が合う」という表現は間違っているのでしょうか?

「都合のつく」は、一般的に使用される表現ではありません。しかし、「の」は「が」に代わって主語を示す格助詞なので、間違いではないでしょう。「天気が良い日」も「天気の良い日」も正しいのと同じですね。

また、「都合が合う」も間違いではありません。「合う」は「調和する」「一致する」などといった意味の言葉です。そのため「お互いの都合が合う」などと予定が一致するときに使用します。そのため「いつごろ都合が合いますか?」と相手に聞くのは違和感があります。

「都合がつく」の敬語表現

「都合がつく」の敬語表現は?ビジネスでの正しい使い方
(画像= unsplash.com/photos/5QgIuuBxKwM、『Lovely』より引用)

「都合がつく」を目上の人に使用する場合は、どのように表現するべきなのでしょうか?自分の都合を伝える場合、相手の都合を聞く場合に分けて解説していきます。

自分の都合がつく・都合をつける場合

「都合がつく」の謙遜語はありません。また、目上の人に自分の「都合がつく」という表現を使用することは問題ありません。そのため「私の都合がつき次第ご連絡いたします」「金曜日ですと都合が良いです」などと、そのまま使用してしまって構いません。

しかし、失礼な感じがするため使用したくない、という人もいるでしょう。その場合は「〇日でしたら空いております」「金曜日で問題ありません」「○日にしていただけますと幸いです」などと言い換えると良いですね。

反対に、相手の提案を断るときに「その日は都合がつきません」と伝えるのは印象が良くありません。「あいにく予定がありまして、参加できません」「申し訳ございませんが、別の要件があるため他の日にしていただけませんか?」などと言い換えましょう。

相手の都合がつく・相手の都合をつけてもらう場合

相手の都合を聞く場合は、「ご都合がつく」と言いましょう。「都合がつく日はありますか?」よりも、「ご都合がつく日はありますか?」の方が丁寧ですよね。「お都合」のように「お」はつきませんので注意してください。

「○月○日はご都合いかがでしょうか」「○月○日はいかがでしょうか。ご都合がつきますと幸いです」などの表現ができますね。「ご都合のほどをお聞かせください」も良いでしょう。

日時がもう決まっており、相手に都合をつけて欲しいとお願いする場合は「ご都合を“つけて”いただけませんか」と言ってしまうと違和感があります。「○日○時からお時間いただけませんでしょうか」「ご調整いただけませんでしょうか」と表現するのがおすすめです。