球団OBは「投手陣は前から選手が豊富にいて、今年もシーズンそこそこまで投げてくれそうな布陣が揃っている。開幕の柳裕也を皮切りに涌井秀章、メヒア、小笠原慎之介、大野雄大など、右左ともに先発投手が揃っている。中継ぎ陣も7回以降の勝ちパターンは勝野昌慶、清水達也、ライデル・マルティネスと方程式も確立されている。ただ、勝ち試合、負け試合、同点場面、どこでも投げられる“便利屋”の藤嶋健人がケガで離脱したのは懸念材料だろう。ともあれ、得点を挙げられれば何とかなる算段がついたので、立浪監督も今シーズンは自信を持って挑むことでしょう」と解説する。

 ところが問題は野手で、最後の最後まで二遊間の布陣が決まらなかった。

「結局、田中幹也、育成契約だったクリスチャン・ロドリゲスを支配下登録して、開幕戦はこの2人に任せることに決めた。ただ、どちらも守備力は高いのだが、バッティングは今ひとつ。出塁できなければ必然的に中田翔への負担は大きくなるのではないか。また昨年のU-23キューバ代表で将来嘱望されているロドリゲスは、毎年、キューバ政府と契約交渉しなければならず、せっかく育て上げても政府の都合で契約が見送られたり、シーズン後に逃亡する恐れもある。短期的にはいいかもしれないが、中長期的に考えればチームにとってはマイナス要員と見る向きも多い」