◆謎の存在Xを追う記者。取材か恋か

隣人X
©2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 ©パリュスあや子/講談社
【惑星難民X】を追うのは、週刊東都記者・笹(林遣都)。主要な記事を任せてもらえず、ラーメン記事担当をしている。

 が、このままだと契約解除されてしまいそうで、笹はX関連の記事でスクープをとろうと野心を抱く。

 笹は、宝くじ売り場とコンビニを掛け持ちで働いている良子(上野樹里)が【惑星難民X】ではないかという情報を得て、彼女を追うも、いつの間にか、取材なのか、恋なのか、よくわからない雰囲気に……。

 もしかして笹は、良子に恋するふりして近づいているのかも? という疑惑も残しつつ、順調なくらい仲が深まっていく笹と良子。

 最初から、笹がかなり素直に、自分の仕事(記者)と目的(惑星難民X取材)を明かしていることや、対する良子が、若干引きつつも、結局、笹にほだされて、受け入れている様子に、首をかしげることは否めない。

“誰もが謎の存在Xに不安を感じ、自分の隣にいる人が本当はXではないのか? と不安を抱いていた”のではないのか。無防備過ぎる。

 だが、そう思った時点で、この物語の問いかける根深い問題に自らハマってしまっているということなのである。