筆者が話題に困ったときに使う雑談のネタに「宝くじで1億円当たったらどうする?」があります。人によってさまざまな回答があり割と面白いです。

そこで今回は、ファイナンシャル・プランナー(FP)である筆者が「宝くじで1億円当たった場合の使い方」について真剣に考えてみました。

結論「9,500万円は資産運用して残りはパーッと使う」

結論からいうと、1億円のうち、9,500万円は資産運用をし、残りの500万円は自分や家族の欲しいもの、やりたいことに充てます。なぜこのような答えになるのか、理由を詳しく解説します。

9,500万円を利回り年3%で運用すると?

仮に、宝くじでゲットした1億円のうち、9,500万円を利回り年3%で20年運用したとしましょう。途中で一切お金を引き出さなければ、20年後には1億7,158万0,567円(※税金、手数料は考慮していません)にもなります。

30年間で取り崩していくと考えても、1年で500万円は使えそうです。取り崩していない部分を継続して運用していけば、合計額はもっと増えるでしょう。

現在筆者はアラフィフゆえ20年後には高齢者の仲間入りをしているのですが、20年間待てば老後は(度を過ぎたぜいたくをしなければ)安泰!?かもしれません。

プレゼントするときは110万円未満にしておきます

ただ、全額を資産運用に回すのも味気がないので、自分が欲しいものややりたいことに使ったり、家族や友達にプレゼントしたりもしたいと思います。

その時に注意したいのが、プレゼントの額です。ご存じの方も多いかもしれませんが、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の額が110万円を超えてしまうと、超えた部分に対して贈与税がかかります。大盤振る舞いをしたことでもらった人が贈与税を払うことがないよう、プレゼントするときは110万円未満にしておくつもりです。

ラッキーに恵まれても地に足をつけましょう

実際のところ、宝くじで1億円以上の高額当選を果たす人はどのくらいいるのでしょうか? 年末の風物詩「年末ジャンボ宝くじ」の場合、1等の7億円の当選本数は23本、1等の前後賞の1億5,000万円の当選本数は46本とのことです。

発売枚数は合計4億6,000万枚であるため、1等が当たる確率は0.000005%、前後賞が当たる確率は0.00001%と極めて低い数字です。

ただ、そんなラッキーに恵まれても、地に足をつけましょう。

高額当選を果たしたことが理由で生活水準を上げ過ぎて結局困窮したり、周囲から財産を狙われたりなどのトラブルもありえます。

本当に欲しいものだけ買って、あとは粛々と資産運用をしましょう…と、くじ運がありえないほど悪いFPからアドバイスさせていただきました。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。