SNSを見ていると入ってくるのが、広告の数々。その中に「オーディション系」の応募告知も多々存在します。その多くがプロアマ問わず募集していて、誰でもチャンスがある、と謳っていますが、巷では「詐欺」といった恐ろしい声も。実際、本当に詐欺なのでしょうか。

 そこで、SNSの広告から声優のオーディションを受けた方に、オーディションとそのプロジェクトの真相について聞いてみました。

◆一縷(いちる)の望みを賭けてあきらめた夢に挑戦

一縷(いちる)の望みを賭けてあきらめた夢に挑戦
写真はイメージです。(以下同じ)
 高校生の頃、声優になりたいと思っていた村瀬紗世さん(仮名・41歳/独身)。しかし、将来性のなさから両親に反対され大学に進学し、今はIT企業の営業として働いています。

「当時、声優は給料が安いというのが定説で、しかもトップになれる人はほんの一握り。声優になるだけでも、専門学校を経て事務所に入り、研究生として修業をしてから、という長いステップがあり、決して先が明るくないのは私もわかっていました。当時は就職氷河期でしたし、あきらめてしまったんです」

 ところが先日、SNSで声優オーディションの広告を見つけ、過去にあきらめた夢が再燃。副業でもいいから声優になりたい、と一縷の望みを賭けて応募を決意しました。

 募集サイトから必要要件を入力して応募した後、すぐに窓口の担当者から、期日までに指定のセリフを読んだ音声データを送るように指示されました。

 村瀬さんは会社から帰ると毎日セリフを練習し、抑揚のつけ方や息継ぎなど自分なりに研究し、なんとか音声データを送信。その努力の甲斐もあって、無事に一次審査を通過したのです。