約9年前、大手食品メーカー・ミツカンの創業家が引き起こしたとささやかれる“親子引き離し”疑惑。この通称「種馬事件」が再び注目を浴び、同社商品の不買運動が広がっている。

 この騒動は、ミツカングループ・中埜和英会長(昨年8月死去)とその妻で現会長の美和氏による「男児を世継ぎにしたい」という執着によって、次女の婿であった中埜大輔氏が不当な扱いを受けたと訴えているもの。

 2013年に次女とお見合い結婚した大輔氏側の主張によれば、翌14年8月に長男が誕生するも、この4日後にやって来た会長夫婦から「養子縁組届」を突き付けられ、自分たちの養子に差し出すよう迫られたとか。

 結局、大輔氏は妻子と引き離され、愛する妻とも離婚せざるを得なくなり、その上、役員になることが約束されていたはずのミツカンも解雇に。その後、義父母を相手取った3000万円の損害賠償請求に加え、ミツカンを相手取り1億円の損害賠償を求めて提訴したが、前者は今年2月に敗訴、進行中の後者は、一審などで続けて敗訴となっている。