「お前の代わりはいくらでもいる」

 今やナンセンスの塊でしかないこのセリフだが、一昔前なら日常で聞くことも少なくなかった。これは仕事へ対して個性を必要としない時代に言われた言葉で、ドラマなどでも良く使われていたある意味ベタな言葉だ。使用するパターンとしては上司や目上の人間が、仕事がおぼつかない新人社員や、自分より経験が浅い人へ対して発されることが多く、どうしてもネガティブな印象を受けてしまう言葉だ。

 しかし、続きに「……だから今は無理せずに休むんだ」という言葉がくれば、相手のことを思いやるとても素敵な言葉に変化するのだ。