柴咲にどういう心境の変化があったのかが気になるところだが、年齢非公表という〝決断〟をした理由として思い当たる記事があった。「週刊女性」(主婦と生活社/5月30日号)が報じたところによると、柴咲は当初、現在、日本テレビ系で放送中のドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』に主演予定だったという。

 同ドラマの主人公は、卒業式の日に「担任しているクラスの生徒の誰か」に突き落とされ命を落とした化学教師。時間をさかのぼり、教室、人生、そのすべてを覆し、自分を殺害した真犯人を見つけ出すため、命がけで30人の生徒に向き合う姿が描かれている。また、同ドラマは菅田が主演してヒットした19年の同局系のドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』のスタッフが集結。柴咲主演で企画が進む中、制作陣が『3年A組』のヒットの要因を、当時26歳だった菅田と年が近い生徒役同士がぶつかり合う熱量の高さにあったと分析。

 そのため、キャスティングされた時点の柴咲と、他主要キャストの若い生徒たちががっぷり四つに組むには年齢もキャリアも違いすぎるとして、比較的生徒と年齢の近い松岡茉優を起用。『3年A組』のような若い教師と生徒のぶつかり合いを再現しようという結論に至ったというのだ。

「仮に年齢でキャスティングが変わるというのはあってはならないこと。ただ、柴咲さんは制作陣の企画を慮って、今回から年齢を非公表にしてしまったのではないか。そもそも年齢というのは役作りとは関係のない記号のひとつであるため、今後、俳優たちは柴咲に追随することになるかもしれない」(映画業界関係者) 

 日本を代表する俳優となった柴咲コウ。この決断は評価されるべきだろう。