2022年1月に人気演芸番組『笑点』のレギュラーメンバーに抜擢された桂宮治。

 芸風や落語家としての経歴から、「明るい道ばかり歩んできた人」と見られがちな反面、実はまったくの逆とのこと。「人嫌い」といっても過言ではないと語ります。

 たくさんの人との出会いに助けられ、落語の世界に導かれて、なんとかかんとかガムシャラに生きてきたと語る噺家の人生とは。

(本記事は『噺家 人嫌い』より抜粋・構成しています)

◆小学生からの夢は「舞台に立つこと」

桂宮治
桂宮治
 バイトと遊びに明け暮れた高校時代でしたが、小学生のころに思い描いた「舞台に立つ」という夢は忘れませんでした。時間のあるときは下北沢の本多劇場に学生割引で入り、劇場内の階段の上に敷いたクッションに座って観劇していました。

「俳優で誰が好きか」と聞かれたら、高校時代の僕は加藤健一さんって即答していました。

 最初はたまたま「面白そうだな」と思って加藤健一事務所の舞台を見たのですが、とにかく楽しかった。角野卓三さんと共演した、イギリスの劇作家レイ・クーニーの『パパ、I LOVE YOU!』が好きでしたね。連日満席の大人気公演でした。フランツ・カフカの『審判』で加藤さんが二時間以上も一人芝居するのを観たときは圧倒されました。