病院の受付窓口をしていると、いろいろな患者さんとそのご家族の現実に直面します。ときには、思わず自分の老後を考えてしまうような、ちょっと悲しいシーンを目の当たりにすることも。そんな少し切ないエピソードを3つご紹介します。
面会に来た子どもの兄弟間確執が垣間見えて……
「うちの病院に長いこと入院していた年配の女性の患者さん。息子さんが二人いたんですが、面会のときにすれ違ってもなぜかほとんど言葉も交わしていませんでした。しかもあるとき、お兄さんから『病状や入院費の話は、弟ではなく自分にしてほしい』という趣旨の申し出があって……やはり兄弟であまり仲が良くなかったようです。子どもたちの間に確執があるようでは、お母さんも安心して療養できないだろうなと思ってしまいました」
催促の電話も無視?支払いに応じないご家族
「病院の受付と経理を担当しているのですが、患者さんの中には、どうしても入院費のお支払いが滞ってしまう方がいます。そういうときはもちろん、ご家族にお電話をしてお支払いの督促や分割払いの提案などします。しかし、催促の電話だと分かっているのか、何度連絡しても出てくれないケースもあるんです。
電話を無視されるのはもちろん困るのですが、それ以上に、入院されている患者さんご本人がどう感じるだろうということを考えると、毎回複雑な気持ちになってしまいます。自分は、せめて老後の入院費くらいは支払えるだけの貯えを……などとつい考えてしまいますよね」
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