「今、知ってほしいパリの見所」が詰まった一冊!トリコロル・パリが贈るガイドブック

PARISmagでお馴染みの「トリコロル・パリ」から、5年ぶりのガイドブックが発売されました。

その名も『ぎゅっと旅するパリ 暮らすように過ごすパリ』

パリ市内の見逃せない定番スポットから、新しくオープンしたお店情報などが満載で、初めて渡仏される方も、リピーターの方も楽しめる内容になっています。

そこでトリコロル・パリの荻野雅代さんと桜井道子さんに、今回のガイドブックに込めた思いと、パリの楽しみ方について伺いました。

 

コロナ禍に蓄積した「パリの新情報」が盛りだくさん

―昨年5年ぶりに新著を出版されましたが、このガイドブックを手がけることになった経緯を教えてください。

桜井さん:ガイドブックの企画は、コロナ禍にスタートしていました。

パリはお店の入れ替わりが激しく、コロナ禍においても新しいお店がどんどん増え続けていて、「新しい情報を早くお知らせしたい」という気持ちが高まっていました。

リニューアルした『カルナヴァレ博物館』(上の写真)や、安藤忠雄氏が改装を手がけた『ブルス・ド・コメルス』(下の写真)などの新しい文化施設も近年オープンしたばかり。

ようやくパリの最新情報を皆さんにお届けできてうれしいです。

―「ぎゅっと旅するパリ」と「暮らすように過ごすパリ」の2部構成にした理由を教えてください。

荻野さん:今回は、滞在する期間で紹介するスポットを分けました。

「ぎゅっと旅するパリ」では、3〜5日程度の短期間滞在する方に向けた内容で、定番スポットやアクセスしやすい中心地の情報を紹介しています。

一方、「暮らすように過ごすパリ」は、1〜2週間程度の中長期滞在する方向け。少し足を伸ばしてでも行ってもらいたいスポットや、ゆったりと散策を楽しめる街歩きのアイデアを提案しています。

―定番スポットと新しいスポット、どちらの情報が多いのでしょうか。

桜井さん:私たちのガイドブックでは、常に「新しいスポット」をメインに紹介しています。

もちろん、見逃せない定番スポットは重複して載せることもありますが、「新しいスポットをメインに、定番スポットを少し添える」というバランスを重視し、パリに初めてくる方も、常連さんも楽しんでもらえる内容を目指しました。

荻野さん:また、今回はカリグラフィーを学べるレッスンや、チーズを食べ比べるデギュスタシオンなど、「体験ワークショップ」も多く紹介しています。

例えば、文房具店『メロディー・グラフィック』(上の写真)では、フランス伝統のカリグラフィーを体験できます。

アートが好きな人、グルメにこだわりたい人など、好みや求めるものは人それぞれですが、それぞれの楽しみ方を見つけてもらいたいですね。

 

足を運んで味わって。「本当におすすめしたい」お店だけを厳選

―紹介するお店を選ぶ際、どんなポイントにこだわりましたか?

桜井さん:「私たちが気に入ったお店を厳選して紹介すること」にこだわっています。

このポリシーのもと、新しくできたカフェやレストランには、実際に足を運んで味や雰囲気を確認。評判の店でも対応が残念だった場合、良い思い出は作れないですよね。

お店の接客や雰囲気もチェックし、「心地よく利用できる」と感じたお店にのみ、アポイントを取り取材させてもらっています。

―日本人が営むお店も多く紹介されていますね。

桜井さん:ここ10年くらいで、日本人シェフが手がけるフレンチレストランがとても増えました。

味はもちろんのこと、接客も良く、フランス語がわからなくても安心という点で、「時間がなくてもおいしいものを食べたい」という方におすすめできるという感じで、「ぎゅっと旅するパリ」のカテゴリーで多く紹介しています。

『アクサン・ターブル・ブルス』(上の写真)は日本人パティシエールの杉山あゆみさんがオーナーのミシュラン1ッ星レストラン。どの料理も素晴らしく、お店の雰囲気も素敵なんですよ。

―そういった新しいスポットの情報はどのように入手しているのですか?

桜井さん:散策中に見つけたり、フランスの情報サイトを見たりして知ることが多いです。時には家族や友人と入ったお店から情報をもらうこともあり、仕事とプライベートがミックスしている感じですね。

荻野さん:アテンドの仕事も請け負っているので、お客さまに同行して話題のレストランに行くことも多いです。「いいな」と感じたスポットは、メモをして情報をストックするようにしています。

 

散策できるゆとりを持って、パリの風景を思い出に残そう

―パリを楽しむためのコツを教えてください。

桜井さん:観光名所に訪れる前後に、その周辺をぶらりと散策する時間を作ってもらいたいです。

綿密に計画を立ててしまうと、慌ただしく時間が過ぎてしまいます。美術館を見たあとに、周辺を歩いて景色を見たり、街中で飛び交うフランス語に耳を傾けたり、ショーウィンドウを眺めたり。

そういう時間が、良い思い出になってくれるのではないでしょうか。

荻野さん:ホテルの周りでお気に入りのカフェやパン屋を見つけて、毎日通うのもおすすめです。

滞在中のルーティンに入れて通えば、お店への愛着も増しますし、行きつけ感も出て、パリらしい楽しみ方になると思いますよ。

また、お店に入るときは、フランス語で「Bonjour(ボンジュール)」と挨拶を忘れずに!

日本ではお店側から挨拶をすることが一般的ですが、フランスでは「お客さん側から」が基本です。

「Bonjour(ボンジュール)/こんにちは」

「Au revoir(オールヴォワール)/さようなら」

「Merci(メルシー)/ありがとう」

「S’il vous plaît(シルブプレ)/お願いします」

この4つの挨拶を使いながら、観光を楽しんでくださいね。

―おふたりから見て、パリらしさを色濃く感じられる景色やスポットを教えてください。

桜井さん:やはりセーヌ川ではないでしょうか。川とその両側の建物は、どの角度から見ても「パリらしさ」を感じられると思います。

それから、マルシェに行くのもおすすめです。パリに暮らす人たちが買い物をしている様子や、魚や野菜のディスプレイを眺めるだけでも楽しめると思います。

荻野さん:パリでは、古い建物の外観を保存しつつ、新しいお店を営むスタイルが多いです。このような「新旧の融合」を感じられるのも、パリらしさの1つだと感じています。

また、本屋さんや国立図書館もぜひ行ってみてもらいたいスポット。建築様式や空間の使い方が素晴らしく、パリらしい空気感を感じられるはずですよ。

特に『フランス国立図書館リシュリュー館』(上の写真)は2022年にリニューアルオープンし、美術館や無料の図書館閲覧室も併設されたので、ぜひ訪れて欲しいですね。

 

書籍未掲載!「トリコロル・パリ」イチオシの最旬スポット

―おふたりが気になっている最新スポットを教えてください。

桜井さん:オープン時期が間に合わず、掲載を断念したのが『セルジュ・ゲンズブールの家』です。

セルジュ・ゲンズブールが、生前に妻のジェーン・バーキンや娘のシャルロットと暮らした家が2023年9月から一般公開され、向かい側にはセルジュにまつわるオブジェがたくさん展示されている美術館もオープンしました。予約必須ですが、フランスに興味がある方なら一見の価値はあると思います。

荻野さん:近年のパリでは、最高級の称号を受けた『パラスホテル』のパティシエが手がけるパティスリーが、続々とオープンしています。

ホテル・ムーリスの『パティスリー・デュ・ムーリス』やホテル・リッツの『リッツ・パリ・ル・コントワール』、ホテル・ドゥ・クリヨンの『バタフライ・パティスリー』など、これまで敷居が高いと感じていたホテルスイーツを、テイクアウトして自宅で楽しめるようになりました。リッツとクリヨンのパティスリーではイートインもできます。

―この本を手に取った方に、どんな風にパリ観光を楽しんでもらいたいですか?

桜井さん:私たちが厳選した、「パリで今行くべき場所」が詰まった1冊です。興味のあるスポットをピックアップして、自分好みの旅の計画を立ててくださいね。

荻野さん:『バブカ・ザナ』(下の写真)や『ランド・エ・モンキーズ』など、「パンが好き!」というPARISmag読者の皆さんにもおすすめしたいブランジェリー情報もたくさん紹介しています。

自分好みのお店を見つけて、ぜひ味わってみてください。パリの思い出をたくさん作って、さらにパリに興味を持ってもらえたらうれしいです。

 

  • ■書籍情報
  • 「ぎゅっと旅するパリ 暮らすように過ごすパリ(世界文化社)」
  • 著者:トリコロル・パリ(荻野雅代・桜井道子)
  • 価格:1,980円(税込)