総合演出の田中氏は、フジの大看板だった『笑っていいとも!』の終了後に入社した世代だ。18年に行われた公開イベント形式の「第3回企画プレゼン大会」をきっかけに『BACK TO SCHOOL!』を立ち上げるなど、「学校」や「青春」を扱った企画をもっとも得手としており、今回の『27時間』も学校企画が中心になるとみられる。

 若者のテレビ離れは着々と進んでいる。というより、若者人口そのものが減少していくしかない中で、YouTubeやSNSの発達によってテレビは視聴者を奪われていった。だが、TVerでの配信が一般的になり、再びコンテンツとしての息を吹き返そうとしている。ネットの中で、テレビがようやく真っ向勝負できる環境が整いつつあるのが現状である。

 27時間ぶっ通し生放送という前時代的な枠取りの中で、新世代のテレビマンがどういった番組を作ってくるのか。きっと、筆者のような中年お笑いファンにはまったく刺さらないものになるだろうし、それでも子どもたちが夢中になるような楽しい番組を作ってほしいと、今はそう願うばかりである。

(文=新越谷ノリヲ)