浪費は決して褒められたことではありませんが、本当に必要な出費までケチるのは考え物です。そこで今回は、FP目線で「人生でケチってはいけない出費」を3つご紹介します。

■①自分や家族の人生の質を向上させるための出費

人生の質を向上させるための出費は、将来に対する投資にもなり得ます。

例えば、スキルアップのための勉強は、将来希望の仕事をしたり、収入を増やしたりするうえで大切な出費と言えます。

また、ロボット掃除機や食器洗い機など、家事の負担を軽減させるための家電も、ケチってはいけない出費に入るでしょう。

特に共働き家庭の場合、家事の負担を軽減できれば、家族団らんや自己研鑽など、他のことに時間を使えます。何より、イライラして他の家族に当たり散らす回数も減らせそうです。

■②冠婚葬祭のための出費

冠婚葬祭のための出費も、出し過ぎる必要はありませんが、ケチらないほうが良いと思っています。

例えば、誰かにご不幸があった場合の香典や、結婚式の際のご祝儀には最低限のマナーがあります。中には現代にそぐわないマナーもあるかもしれませんが、大半は「人への礼儀を尽くすための最低限の基準」です。

本人や家族が「気を遣わないで」と言ったならこの限りではありませんが、そうでない場合は可能な限りマナーに則った対応を心がけましょう。

■③健康のための出費

健康のための出費も、ケチらないほうが良いものの一つです。

定期的に健康診断やがん検診を受けたり、体調不良の時は早い段階で医療機関にかかったりなど、メンテナンスは欠かさずに行いましょう。自由診療のクリニックに通ったり、高額なサプリを毎日飲んだりする必要はありません。

■お金を使うときは浪費か投資かを考えよう

ここまで挙げてきた「ケチってはいけない出費」にはある共通点があります。

それは、自分や家族の生活や人間関係を向上させるための投資であることです。

逆に、単に自分が欲しいから、楽しいからという理由だけで見境なくお金を使うのは、投資というより浪費です。一切浪費をしないというのは現実的ではありませんが、お金を使う前に「本当に欲しいと思っているか」を振り返ってみても良いかもしれませんね。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。