「日本の社会人の52.6%が勉強ゼロ」。こうした衝撃の調査結果が明らかになったことを、ご存じでしょうか。世界各国の中でも飛び抜けて高い割合となっています。

「ただでさえ忙しいのに、わざわざ勉強したくないよ。学生でもないんだし」と思っているそこのあなた。勉強しない社会人の「悲惨な末路」。そんなこと知りたくない、という人も現実を見て今から第一歩を踏み出しましょう。

■社会人の2人に1人は勉強をしていない

冒頭の調査は、人事・人材に関するシンクタンク「パーソル総合研究所」が行ったものです。勤務先以外で行っている学習や自己啓発活動を社会人に質問した調査で、「とくに何も行っていない」と答えた人は52.6%に上りました。日本人のほぼ2人に1人です。

社会人が仕事以外の時間に全く勉強をしないと、どういった人生の結末を迎える可能性が高くなるのでしょうか。2つの例を挙げていきましょう。

■「老後破産」のリスク増加

終身雇用制度が崩壊しつつある日本。あなたがいま正社員でも将来的に解雇を言い渡され、転職活動しなければいけなくなるかもしれません。

その転職のタイミングであなたの市場価値が低いと、転職活動がうまくいかず、好きでもない職業を選ばざるをえず、さらには年収ダウンが避けられない状況となるでしょう。

年収ダウンで老後の資金が準備できなければ、老後破産の可能性も…。そうならないためにも、現在は安定した職に就けている人も常に自分の市場価値を意識し、時代が求める知見やスキルを身に付けておくことが大切です。

■性格がゆがんで「老害」に

古代ローマの哲学者であるキケローは「老年について」という書籍で、年齢を重ねることで体力は落ちるものの、経験や知識があればその衰えを補うことができる、と指摘しています。だから年齢を重ねることを過度に悲観する必要がないと、伝えています。

しかし、もしあなたがプライベートで勉強に励まずに老後を迎えたら、若者に勝てる要素がほとんどなくなってしまい、それゆえにゆがんだ性格になって、周りから「老害」と呼ばれるようになってしまうかもしれません。

年を取っても社会に役立つことができる素敵なシニアとなって、自己肯定感が高い人生を送り続けたいものです。

■時間は自らつくりだそう

とはいえ、社会人としての現役時代は日々の仕事で疲れ切ってしまい、なかなか勉強をする時間を確保しにくいというのも分かります。

そんな人は「やらなくていいこと」をリストアップし、勉強に充てるための自分の時間をどんどんつくっていきましょう。時間は自らつくるものですよ。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト) 国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。