現役時代には安定した収入があったにもかかわらず、定年後に生活が困窮する「老後破産」に陥る人は一定数います。「まさか自分が破産なんて…」と思っているあなた、老後破産してしまった人も、そんな風に思っていたでしょう。

老後破産を避けるためには早いうちから準備をしておくのが有効ですが、その前に「そもそも自分は老後破産しそうか」をチェックしておきましょう。

6つの質問でわかる!老後破産の危険度チェック

そもそも老後破産をする根本的な原因は「今持っているお金や将来に必要なお金を把握していない」「お金のかかる生活をしている」の2点です。

そこで、以下の6つの質問からあなたの老後破産の危険度をチェックします。

  1. 自分や家族の預貯金や資産の残高、家計の状況がわからない
  2. 預貯金や資産は正直少ない
  3. 年金額や老後資金のシミュレーションなんてしたことない
  4. 正直、自分は見栄っ張りだと思う
  5. 毎月かなり固定費がかかっている
  6. 子どもの教育にお金をかけすぎているかも?

当てはまる項目が多ければ多いほど「老後破産予備軍」に近づいていると考えてください。

3つ以上当てはまるなら対策を

実際のところ、すべての項目に自信を持って「NO」と言える人も少ないのではと思います。「もしかしたら自分ヤバいかも」と思った人、特に3つ以上の項目に当てはまる人は、できることを少しずつで良いので始めましょう。

以下の対策をぜひ実践してみてください。

  • 年金額や老後資金のシミュレーションをする
  • 簡単で良いので家計簿をつけて家計におけるお金の流れを見る
  • 預貯金や資産運用で老後資金の準備を始める
  • 定年後でも働けるよう体力づくりやスキルアップに励む
  • 子どもの教育費や買い物は「本当に必要か」「本当に欲しいか」を見極めてから行う
  • 使っていないサブスクを解約するなど固定費の削減を図る

老後破産は決して珍しくない

日本弁護士会連合会がまとめた「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によれば、2020年における破産債務者のうち、70歳代以上の割合は9.35%に達したとのことです。

つまり、破産する人の10人~11人にひとりは70歳代以上という計算になります。老後破産は決して珍しくありません。早いうちから対策をすることで防げる部分はあるのでコツコツと取り組んでいきましょう。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。