キャリアbaseが若者の“望まない孤独”を防ぐために2023年4月に開設した居場所「ふらっぽ北柏」の利用者数が、100名を突破した。
いつでも気軽に“ふらっと”立ち寄れる第三の居場所
「ふらっぽ北柏」は、『いつでも気軽に“ふらっと”立ち寄れる、第三の居場所』をコンセプトに開設。他の学校の生徒・地域の人々・他団体のスタッフ等との交流の場ともなり、子どもたちが安心してさまざまな人と繋がることができる場所を目指している。
キャリアbaseがガイダンスや個別就労支援を行っている高校とも連携を図り、柏近隣の中高生だけでなく、通信制高校の生徒にも幅広く活用してもらえるよう取り組んでいる。
通信制に通う高校生の現状
通信制高校に通う生徒は全国で20万人を超えているが、約76,000人の卒業生のうち、3割にあたる24,000人以上が“進路未決定のまま”卒業していくといわれている。通信制高校の生徒たちは「学校に通う」という機会が少なく、居住地も各地に点在している。そのため明確な居場所をつくりにくく、結果的に、学校や友達との関係性が強くならないまま卒業を迎えてしまうケースが多くある。そのような状況下で“進路未決定のまま”卒業を迎える生徒たちは、卒業後さらに社会的孤立を深めてしまうそうだ。
こういった状況を解決していくためにも、キャリアbaseでは、高校在学中から卒業後までいつでも自由に立ち寄れる場所として、「ふらっぽ北柏」「ふらっぽオンライン」というリアル・バーチャルの二軸で居場所を提供している。
高校現場と連携することで利用者数が増加
「ふらっぽ北柏」では、子どもたちが気軽に訪れることができるよう、開設後からさまざまなイベントを実施してきた。直近ではクリスマス会やお正月の書初め大会など、季節に合わせたイベントを開催している。
「ふらっぽ北柏」の特徴の1つは、居場所に来る高校生の多くがキャリアbaseと連携している高校の生徒であること。高校の先生からの紹介や校内に貼られている告知資料を見て「ふらっぽ北柏」の存在を知り、居場所に訪れるケースがほとんどで、時には高校の先生も一緒に「ふらっぽ北柏」へ来ることもあるそうだ。高校によっては、「ふらっぽ北柏」に来ることが「単位として認められる」という事例もあり、卒業後のネットワークをつくるための重要な課外授業として認められている。
また、バーチャル上での居場所空間「ふらっぽオンライン」では、オンラインで最初の接点を持った高校生が、後に「ふらっぽ北柏」に訪れるケースもうまれた。通信制高校の場合は生徒が広範囲にわたって在籍しており、三重県や群馬県の高校生が「ふらっぽ北柏」に訪れ、就職や進路に関する相談をした事例もあるという。