今日、「キャッシュレス決済」の利用は急激に増加しています。お財布を持ち歩かなくなったという方も多いのではないでしょうか。

生活が便利になった反面で、実はキャッシュレス決済の不正利用が後を絶ちません。今回は不正利用の被害事例や対策を紹介します。

■不正利用被害の事例

キャッシュレス決済の不正利用として3つの例を取り上げます。

●事例1:クレカ番号の盗難

クレジットカードを不正利用する手口は昔からありますが、最近はより巧妙になっています。主な手口は以下の3つです。

1:スキミング スキミングは、ATMに設置されたクレカ情報を読み取るスキマーや、ECサイトなどへの不正なアクセスによって情報を盗む手口です。

2:フィッシング詐欺 フィッシング詐欺はオンライン上の偽サイトにアクセスさせ、情報を入力させる手口です。

3:クレジットマスターアタック クレジットマスターはクレジットカード番号の規則性を悪用して他人の情報を割り出す手口で、個人でできる対策がないのが現状です。

●事例2:QRコード決済のステッカー詐欺

ステッカー詐欺は非常にシンプルです。お店のQRコードの上に偽のQRコードを貼り付け、店にではなく偽サイトに支払いさせる手口です。

●事例3:QRコード決済の盗撮

自分がスマホ画面に表示しているQRコードを、何者かが盗撮して悪用する手口です。少額の買い物であれば気づかない可能性があり、店舗側は入金されるため不正に気付かないという点で、非常に巧妙です。

■自分でできる不正対策

このように、日常の様々な場面で私たちを脅かす不正利用の魔の手。回避するすべはあるのでしょうか?

ここからは、自分でできる不正対策を紹介します。

●対策1:クレカ利用通知の設定

クレジットカードの利用通知をONにしておくのも有効な対策法です。不正利用されたときにすぐ気づけば、クレジットカード会社などと連携して対応できる可能性があります。

●対策2:読み込む前にQRコードを確認

店舗のQRコードの読み込みにも注意します。具体的には、不自然な貼り付けがないかチェックし、疑問に思うことがあれば店員に確認しましょう。

●対策3:QRコードを表示しない

QRコードの盗撮を防ぐには、列に並んでいるときにQRコードを表示しないのが一番の対策です。誰かに盗撮されているリスクを常に考え、支払いが終わるまで気を抜かないようにしましょう。

■便利だからこそ注意を!

キャッシュレス決済は、手元に現金がなくても買い物ができるという点で非常に便利な決済方法です。しかし、情報管理を厳重にしなければなりません。支払用のQRコードを出しっぱなしにしているのは、現金を出しっぱなしにしているのと同じです。セキュリティ面をしっかり考え、安全に利用したいですね。

文・馬場正裕(ファイナンシャル・プランナー) 高校教師・学習塾・予備校の講師を経て、現在は金融・保険などのマネー系Webライターとして活動中。主に、金融メディア、SDGsメディアに出稿している。