自分の親が老後破産するとは考えたくもないことですが、可能性はゼロではありません。

老後破産の原因で、親に当てはまることがないか確認してみましょう。

■老後破産する5つの原因

老後破産の主な原因は以下の5つです。

●原因1:貯蓄が少ない

親に十分な貯蓄はあるでしょうか?

老後は基本的に年金収入のみとなり、足りない分は貯蓄を切り崩して生活していくことになります。年金のみで生活するのはなかなか難しいので、貯蓄が少ない場合はお金が足りなくなるかもしれません。

●原因2:生活水準を変えられない

生活水準が現役時代のままというのも、老後破産の原因になります。

老後は収入が減るため、それに合わせて生活水準を下げる必要がありますが、お金の使い方が変わっていないと感じるようであれば注意が必要です。

●原因3:住宅ローン返済が終わらない

住宅の購入時期が遅く、親の定年後も住宅ローン残高が残っていないでしょうか。

収入が減っているにもかかわらず、ローンの返済額はそれまでと変わらないので、家計が厳しくなるでしょう。

●原因4:医療費や介護費がかかる

今は元気で健康的な生活を送っていたとしても、いつどうなるかは誰にもわかりません。持病を持っていたり、生活習慣が乱れていたりするならなおさらです。

医療費や介護費をしっかり準備しておくことはもちろんですが、準備していたとしても想定以上にかかってしまうと不足する場合があるでしょう。

●原因5:子どもの費用がかかる

子ども自身が、親の老後破産の原因になってしまうこともあります。

晩婚化や高齢出産などで、定年を迎えても子どもがまだ学生だとお金がかかることがあります。また、子どもがいつまでも独立しないと、援助などにお金がかかるでしょう。

■親の老後破産は子どもにも影響がある

老後破産の度合いにもよりますが、親の破産は少なからず子どもに影響があります。

経済的困窮に対しては援助をする必要が出てくるので、子どもの金銭的負担が増えます。

自己破産ということになると、持ち家は売却することになるため、親と同居している場合子どもも家を出ていかなくてはなりません。

何より、心配が絶えないので精神的負担も増えるでしょう。

■親の老後破産に備えるためには?

親が高齢になったら、生活状況はもちろん経済状況に注意しておく必要があります。

親子間でもお金の話はしにくいですが、困ったときにどうするかを話し合っておくとよいでしょう。

文・阪田順子(ファイナンシャル・プランナー) 保険会社での営業、一般企業の経理職などを経て、2020年にファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用や株式投資の講座を開講。投資を中心にお金にまつわる記事の執筆・監修を行う。FP1級、CFP®保有。