「蓬髪垢衣」
不潔なイメージの「垢衣」ですが、使用されている例を見ると「蓬髪」という言葉と一緒に使われていることがあります。有名なのは以下の一節です。
頬が落ちこけて、鼻が突とんがって、眼光竜鬼の如しとある。おまけに蓬髪垢衣、骨立悽愴と来ていたんだから堪らない。袖を引かれた女はみんな仰天して逃げ散ってしまう。
夢野久作「ドグラ・マグラ」
「蓬髪」は「蓬(よもぎ)」のようにぼうぼうに伸びた髪のことをあらわしており、「蓬髪垢衣」はつまり「髪はぼうぼう、服は汚れている」というなりふり構わない様子のことをあらわしています。他にも「蓬髪垢面」「蓬頭垢面」「敝衣蓬髪」など、似たような意味を持つ四字熟語がたくさんあります。それだけ身だしなみが整っていない人が多かったということでしょうか。
身だしなみを整えることを意識しつつ「垢衣」の読み方を是非覚えておいてくださいね。
難読漢字、3問目は「托む」!
「托む」の読み方をご存じですか?
「托」という字に似ている漢字に「託」があり、「託す」などと使うことがあるので「たくむ」と読むと間違いになります。
いったい何と読むのでしょうか?
「托む」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○のむ」の3文字
- 訓読みです
- 「托」には「委托」という使い方もあります。意味を考えてみましょう
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「托む」の読み方、正解は・・・
正解は
「たのむ」
です!
「托」という漢字には「たよる、まかせる」という意味があります。最初に書いた「託す」は「托す(たくす)」と表記することもあります。
「托」と「託」の違い
見てみると、「托」と「託」には同じような使い方が多いですね。ヒントに書いた「委托」も「委託」の方がよく見かけると思います。
それでは「托」と「託」という漢字は同じ意味なのでしょうか?
まず「托」から見てみましょう。
- 手の上におく(「托鉢」など)
- 物をのせる台(「茶托」など)
- たよる。まかせる(「托生」など)
- 推す(おす)。ひらく
次に「託」を見てみましょう。
- たよる。あずける(「託児」など)
- 口実とする(「仮託」など)
- ぐちを言う
- 神仏のお告げ(「神託」など)
「たよる」という意味だけ一致していますね。
「托」は常用漢字ではないので、意味が一致している場合は常用漢字である「託」に書き換える例が多いようです。
書き換えられる場合とそうでない場合があることを意識しつつ「托む」の読み方を是非覚えておいてくださいね。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回はなんとなく雰囲気はわかるけど読み方が難しい問題を出してみました。
全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。
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