定年を迎えると収入が大幅に減ることがほとんどです。現役の時と同じ生活水準でいると、先々で困窮する可能性が高いので、多くの人は節約しながら生活しなければなりません。
そのような人は、節約生活を送る前に、まず固定費を見直すのがおすすめです。では、どんな固定費を見直すべきでしょうか、定年後、特に重点的に見直してほしい固定費を5つ紹介します。
■1.携帯電話代
携帯電話代に月1万円以上払っている場合は、大手キャリアの格安プラン(NTTドコモのahamoなど)や格安SIM(UQモバイルなど)に変更することで、大幅に安くできる可能性があります。また、家族割など利用できる割引制度があるなら活用しましょう。
■2.生命保険料
生命保険は、万が一のことがあったときに家族が生活に困らないようにするための保険です。お子さんが独立した後は高額な死亡保険金は必要ありません。
預貯金などの財産やご家族の年齢にもよりますが、基本的には「万が一のことがあった場合の葬儀代など諸経費を賄える金額」程度の保障を準備する方向で契約を見直しましょう。
■3.車の維持費
車を持っていると、ガソリン代や駐車場代、自動車税などの税金とさまざまな維持費がかかります。車がなくても生活できるエリアに住んでいるなら、思い切って手放すのも一つの選択肢です。
また、運転をする予定がないなら、思い切って免許を返納し、運転経歴証明書を入手しましょう。タクシー運賃の割引や百貨店・スーパーなどでの優待サービスなどが受けられます。
■4.クレジットカード年会費
意外に侮れないのがクレジットカードの年会費です。現役時代、出張が多いからとゴールド、プラチナなど付帯サービスが豊富だけど年会費が高いクレジットカードを使っていた場合、定年後もそのサービスを使うか考えてみましょう。
サービスを使う予定がないなら、思い切って解約し、年会費が無料のクレジットカードを使うと節約になります。
■5.サブスク型のサービス
定年後に限ったことではありませんが、サブスク型のサービスは要注意です。前回使ったのがいつなのか思い出せないくらい使用頻度が低いなら、思い切って断捨離しましょう。
毎月1,000円の会費だったとしても、1年放置したら1万2,000円の出費になります。
■必要なものか見極めて
「なくても特に困らないものは思い切って手放す」ことが重要です。
生活に必要なものまで手放す必要はありませんが、定期的に「これって、本当に必要?」と振り返る習慣をつけるとよいでしょう。
文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)