生涯独身予定の40代女性が、老後リッチになるにはどうしたら良いのでしょうか?
頼りにできる家族が少ない分、用意すべきお金を知り準備しておくと安心です。

仮に、60~75歳まで一人暮らし、75~85歳まで老人ホームに入居すると考えて、必要資金を計算してみました。

60~75歳の老後の生活費はいくら?

(写真=PIXTA)

総務省の家計費調査(2017年)によると、高齢者単身無職世帯(60歳以上)の年金などを含む実収入は月額11万円程度、支出は15万円程度で、不足額は月約4万円です。月4万円の不足額を貯蓄から取り崩すことになりますので、一年間では48万円の貯蓄が必要です。

75歳まで一人暮らしをすると仮定すると、60~75歳までの15年間で必要な金額は720万円になります。余裕のある生活を考えて2割増しを想定すると、月約5万円、年間約60万円、15年間で900万円の貯蓄があると安心です。

老人ホームにかかる費用は?

(写真=PIXTA)

自由に身体が動かなくなると、在宅で一人過ごすには限界があるでしょう。75歳以降は、老人ホームに入ることも視野に入れて計画を立てておくと安心です。

老人ホームは、公的なものと民間のものがあります。

<公的な施設(特別養護老人ホーム)>
特別養護老人ホーム(略して特養)の月額費用は、要介護度合や居室のタイプにより異なります。

金融広報中央委員会「知るぽると」によると、要介護3で個室に入居すると、介護保険1割負担の人で、月額目安は約13万円(介護サービス費用1割・居住費・食費、住宅改修費、福祉用具の購入費、日常生活費を含む)となります。仮に月額13万円とすると、年間156万円、10年間で1,560万円です。

ただし、2018年8月より、介護保険負担率が3割になる人(年金収入等340万円以上)はこの月額費用のうち介護サービス費用部分(月額2万6,750円)が3倍になります。

入所できる人は、65歳以上で、介護保険の介護認定を受け、原則として要介護3(自分で立ち上がりや歩行ができない。排せつや入浴、着替えについて中程度の介助が必要な状態)以上にある人に限られています。また、特養は入居金が不要で月額費用が比較的安いため、仮に要介護3以上になっても、即入居できるとは限りません。

<民間の介護付き有料老人ホーム>
民間の介護付き有料老人ホームであれば、元気なうちから入所でき、介護が必要になったら介護士のいる施設に移れる場合もあります。

費用は入居金、月額費用、ともに千差万別です。目安は下記の通りです。

入居金:0~数千万円
月額費用:15~70万円

一定の入居金を納めれば、月額費用を低く抑えることができるところもあります。

もし、月額30万円の介護付き有料老人ホームへ10年間入居すると、入居金ゼロの場合でも30万円×12月×10年=3,600万円程度が必要です。

<高級老人ホーム>
介護付き有料老人ホームの中でも、居室やサービスのグレードが高いとされる「高級老人ホーム」もあります。

例えば、

入居金:2,600万円
月額費用:33万円

このような施設ですと、10年間の入居で合計6,560万円が必要になります。

介護保険サービス自己負担分、医療費、おむつ代などが別途必要なのは一般の介護付き有料老人ホームと同様です。