日本は世界でも有数の長寿国として知られています。長生き自体は喜ばしいことですが、老後が長い分、貯蓄ゼロで定年を迎えてしまうと生活が大変かもしれません。

定年を貯蓄ゼロで迎えてしまった人でも安心して老後を過ごすための生存戦略があります。以下5つの戦略を肝に銘じて、ぜひ生活に取り入れてみてください。

■生存戦略1.できるだけ長く働く

体力的、精神的に無理のない範囲で、できるだけ長く働きましょう。貯蓄がない以上、少しでも収入はあるに越したことはありません。また、仕事を通じて「世の中の役に立っている」という実感を得ることは、精神面でもプラスになるはずです。

■生存戦略2.健康維持に努める

1日でも長く元気で過ごせるよう、健康維持に努めましょう。病気やケガをすると、医療費がかかるうえに、自身や家族の精神面でもマイナスです。

ただし、検査代がかかるからと健康診断を受けないのは好ましくありません。早期発見できれば問題ない病気でも、放置したことで状況が極めて悪くなることがありうるためです。

■生存戦略3.生活費を見直す

生活費の見直しも必須です。定期的な収入がある現役時代と同じ感覚でお金を使うと、あっという間に赤字になります。

2カ月程度で良いので家計簿をつけ、削れる出費とそうでない出費を分析してみるのがおすすめです。

■生存戦略4.年金の繰り下げ受給をする

仕事で収入が得られる場合ですが、1ヵ月年金受給開始を繰下げると毎月の支給額が0.7%アップするので、あえて70歳や75歳に繰下げるのも1つの手段です。

■生存戦略5.リースバックやリバースモーゲージを使う

まとまったお金を確保するなら、持ち家を活用してリースバックやリバースモーゲージを使いましょう。

リースバックとは、家を売却したうえで改めて賃貸借契約を結び住み続ける方法です。また、リバースモーゲージとは家を担保にしてお金を借り、亡くなった時にその家を売却して一括返済する方法を指します。

■なす術がない場合は?

病気になってしまったなどの理由で、なす術がない場合も考えられます。万策尽きた場合は、地域の社会福祉協議会に相談しましょう。

生活福祉資金を利用してお金を借りたり、生活保護を受けたりなど、利用できる方法を提案してもらえます。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)