テレビCMやWEB広告でよく見かける「過払い金請求」。

実は、クレジットカードのキャッシングでも条件を満たせば利用可能です。心当たりのある人は、お金が返還される可能性があります。

■クレカキャッシングでも過払い金請求できる

過払い金請求とは、利息制限法における上限金利を超えて支払ったお金を返還してもらう手続きです。利用にあたって条件があるので確認しましょう。

●2つの条件を満たせば可能

クレジットカードのキャッシングで過払い金請求をしたい場合、満たすべき条件は次の2つです。

  • 1 遅くても2010年(平成22年)6月17日以前に利用開始している
  • 2 最後にキャッシングの取引をした日から10年以内

2010年6月18日に改正貸金業法が施行される前は、利息制限法の上限を超えたグレーゾーン金利による貸付が行われていたため、過払い金が発生しています。

しかし、改正後は、利息制限法の上限を超えた貸付は行われず、過払い金も発生しません。

また、キャッシングを完済したときから10年が経過していれば、過払い金が時効により消滅している可能性が高く、取り戻すことができません。

●過払い金請求したらそのクレカが使えなくなるので要注意

クレジットカードのキャッシングについて過払い金の請求をした場合、その会社が扱うクレジットカードは使えなくなります。必要に応じて他の会社でクレジットカードを作る、ポイント残高がある場合は使い切るなどしましょう。

また、キャッシング利用中の金額によっては、過払い金請求をすることで信用情報機関に事故登録される可能性がありますので、表にまとめました。

キャッシングの状況        事故情報の登録
既に完済している              登録されない
過払い金≧現在の借金額 登録されない (※請求時点で登録されることがあるが、過払い金の方が多ければ抹消される)
過払い金<現在の借金額   登録される

■銀行カードローンやショッピング利用は対象外

過払い金請求ができるのは、あくまで消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングなど、貸金業法による規制が及ぶものだけです。

銀行カードローンやショッピング利用など、他の法律により規制される取引は対象になりません。この点に気をつけておきましょう。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー) 立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日商簿記検定1級、貸金業務取扱主任者(試験合格)