毎年3月、6月、9月、12月は新規上場銘柄(IPO)が増える時期です。この6月はもうすぐフリマアプリのメルカリ <4385> が東証マザーズへ上場します。連日のようにメルカリの情報が報道されるほど盛り上がりを見せていますね。メルカリなどのIPO株を購入するには、IPOの抽選に応募する方法と上場後に市場で購入する方法の2種類があります。
そのため、IPO株への投資にチャレンジしたいと思っても抽選に参加したほうがよいのか、上場してから買うほうがよいのか悩んでしまう人も多そうです。そこで今回は、性格別に見た、IPO株を抽選で買うのに向いている人と上場してから買うのに向いている人をご紹介します。
☆今回お伺いした人 ……阿部祐子さん
出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーに。2009年CFP資格取得。DAILY ANDSをはじめとするメディアで、社会・金融・ビジネス系の記事や、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛けています。
IPOは一大イベント!お祭り騒ぎ好きなら抽選参加もあり?
--IPOはほかの投資方法と比べると、どんな人に向いている投資方法なんでしょうか?
IPOは「目論見書(その企業が行う事業やその他の事項に関する説明が記載されている文書)」を読んで抽選に申し込み、当たったところから「イベント参加」が始まります。その企業のことが気になり、ドキドキして上場当日を迎える……。そういう「自分が一員になった」感は、株式投資を始めたばかりの人(投資初心者)にとっては楽しい経験になるのかな、と思います。
もちろん「IPOならなんでもいい」「儲かりそうだから」というのではなく、自分なりに調べて「この企業は伸びそう」「お金を投じてもいい」と思えることが大事です。なぜなら、若干ドキドキしながら真剣に調べる、そして、情報に敏感になる。それが、投資をするにあたって忘れてはならない大切な姿勢だからです。
データ分析や情報収集が好きな勤勉タイプは上場後に買うのもアリ
--初心者が買うならIPOよりも上場後に買ったほうがよいという銘柄はありますか?
I上場後に買ったほうがよい「IPO銘柄」は、投資家として「この企業は伸びる」と思う根拠があるかどうかです。(そういった銘柄があるなら、)直近の株価チャートを見て、なるべく安値のところで(指値するなどして)買って株主になる方法はアリだと思います。
ただ、東証マザーズなどの新興市場はボラティリティ(価格の変動性)の高い銘柄が多く、そのダイナミックさが人気ではありますが、投資に慣れていないと(値動きの激しさに)疲れてしまうかもしれません。
「何を求めて株式投資をするのか」を考えたとき、もし「そんなにドキドキしないで、安定した利益が手に入れるほうがいい」という人であれば、東証一部だけでも2090銘柄(6月11日現在)が上場しています。「配当利回り」「自己資本比率」などで検索すると、爆発的な上昇はなさそうでも安定した値動きをしている銘柄はあります。とにかく株式市場は広いので、特にIPO銘柄にこだわる必要はないと思います。