2021年11月、妻達にとって人生を左右するほど根深いテーマがTwitterで話題になっていました。
「産後の恨みは一生」という人生を左右する夫婦問題
読売新聞に寄稿された40代の男性会社員からの人生相談で内容は以下。これを元にTwitter上では様々な意見が飛び交っていました。
高校生の一人息子が不在の夜、妻に求めたところ、ものすごい顔で「キモイ!」と拒否されました。
引用:yomiuri.co.jp
理由を聞くと、「産後の恨みは一生もの」と。妻の出産後、私が育児に一切協力せず、毎晩のように一人で外出して楽しんでいたことが「いまだに許せない」と言うのです。
しかし、たかがほんの数年の寝不足や疲労くらい、母親なら誰しも一人で乗り越えられるはず。家事育児に専念させてくれる夫、外で稼いでくる夫に対する敬意はないのでしょうか。
妻は息子が独り立ちしたら離婚を考えているようです。私はコミュニケーション力もなく、妻を逃したら再婚は不可能だと思います。こんなことなら妻の産後にゴミ出しくらいしておくべきだったと後悔しています。今から名誉挽回するには何をすればいいでしょうか。(東京・I男)
結婚生活において「産後の恨みは一生」という言葉があります。
簡単に説明すると「産後数年の一番大変な時に妻が夫に感じた不信感やストレス(主に夫の言動や生活態度に対して)は恨みとなって一生引きずる。それが離婚にまで発展する場合もある。」というものです。
モラハラ夫でなくても生まれてしまう「産後の恨み」
筆者である私はもうすぐ40を迎えます。中学生と小学生の娘がおり、正社員として兼業を続けてきたいわゆるワーママです。
私も産後、即夫に対する見方が変わってしまった一人。恋愛中含め第一子産前までの7年間それはもうラブラブだったし、大学のサークルでも有名な仲良しカップルだったので、一瞬の変化に一番ショックを受けたのは紛れもない私だったはずです。
しかも私はまだ当時20代半ばでした。女盛りでまだ男性とイチャイチャしてても見苦しくないお年頃。結婚しても夫婦で恋愛を楽しめる…そんな風に思っていたくらい。
補足させていただくと、我が夫はこの記事のような男性ではありませんでした。少しプライドは高いけど、言えば何でもやってくれるし基本は優しい人です。
しかし、夫も同じく20代ど真ん中。加えて東京都内の旧家の姉3人の末っ子長男というスペック。
とにかく幼かったのだと思います。優しさはただ「従っているほうが楽だから」ではないか?事実は抜きにして、そんな風に夫を見るようになったのも産後からでした。
「何でも言うことを聞く=責任は指示したほうにある」
が彼が身に付けた方程式だと思うようになると、優しさは無責任なずるさに変わりました。また、ケンカになると「私は中学生男子と話してるんじゃないんだけど!?」とよく口から出てくるようになっていました。
逆に私は3人姉弟の長女でしっかり者。夫が24時間フル稼働かつ土日祝もほぼ仕事のフリーランス(家業)だったため、育児は基本私が担当。
さらに自分は絶対正社員でいなければならないというプレッシャーから全方向120%の精神力で動きまくる日々を送っていました。
そうして、私は10年以上にわたり、幼い夫を「父親」だけでなく「妻帯者」「子育て中の妻がいる夫」という意識をきちんと持つ男に育てる仕事まで背負うことになったのです。
日本の古き良き夫婦像では、それも一つの理想のかたちなのかもしれません。
でも、私はフルタイムで働く現代女性でした。仕事と育児の責任を一気に背負い、今ある幸せがどこかで当たり前だと思っている夫に様々なことを懸命に伝えてきた私の努力は、完全に「産後の恨み」となって私の中に蓄積されました。
「産後の恨み」は妻が夫を重荷に感じた時に始まる
記事のような「何も分かってない時代遅れの夫」や「モラハラ夫」でなくても、女性が産後、心身ともにヘトヘトとなった状態で子供に注ぎたいパワーを夫のために浪費することは十分「恨み」になるのだろうと思います。
なお、長く続く旧家の姑は、舅を立て一歩下る完璧な良妻賢母。その夫婦関係を見てきた夫は逆に自立した私を選んだと言います。
そんな夫でさえ、育児は未曾有のもの。リアルを想像したことなどなかったのでしょう。妻だってそうです。生んでからこんな大変だなんて!こんなはずじゃなかった!と思う人は多い。
だから「育児は2人でやるもの」とは思ってはいるし「言ったことはやってくれる」―
そんな優しい悪気のない「私に言われなきゃ何の役にも立たない夫」は十分にストレスの対象でした。
繰り返される妻たちの共感と理解できない夫たち?
私の話はある程度の女性からは共感を得るのではないかと予想しています。
しかし、男性側からするとどうでしょうか。
前述の通り我が夫は多少なりとも「進化した男性」と言えると思います。
話を聞けば私に寄り添う意志は見受けられるし、「仕事より子供といたい、となりで絵本を読んであげたい」と本音を漏らしたこともあります。
だた、時々行動が伴わなかったり、私(妻)がいることで気が緩んでいる部分が間違いなくあるのです。「妻」たちには1ミリも許されないその「時々」が。
実母は「男性でそこまで分かってるなら、上手くできない部分はアンタが多少譲ってあげなさい」と言います。
確かに…そこを私がもう一歩譲歩すれば…上手く夫を手のひらで転がせば…つまり私が「賢い妻」になればいいのでしょう。
しかし、私に蓄積されるストレスが目に見えている。なぜ育児でフルスイング中の私がさらに成人した夫のための努力をせねばならぬのだ…?
では、ゆとり世代・さとり世代と言われるようにさらに新世代の男性はどうなのでしょうか?
彼らは場合によっては父親が40代。共働きや女性社会進出が当たり前の時代に生まれ育ったはず。
調べてみると、大手からブログに至るまで「女性目線」の産後の恨みや産後クライシスの関連記事はたくさんありました。
しかし、男性側目線でこの問題はどう捉えられているのか言及しているもはあまり見かけませんでした。